「焦げたものを食べるとガンになる」というのは本当?

「焦げたものを食べるとガンになる。」と言われることがあります。

この言葉を信じて、「焼肉」や「焼き魚」の黒く焦げたところは食べずに残しておくという人もいるようですが、本当に焦げたものを食べるとガンになるのでしょうか。

「発ガン性物質」と「焦げ」

「焦げを食べるとガンになる」と言われるようになったのは、1978年(昭和53年)以降のことだといわれています。

1978年に、国立がんセンターが「がんを防ぐための12か条」を発表していますが、その中に「焦げた部分は避ける」という一文があったといいます。

これをマスコミが取り上げたことによって、「焦げ=ガン」というイメージが定着していったといわれています。

「発ガン性物質」が含まれるのは、「肉」や「魚」などの「動物性たんぱく質の焦げ」とされていて、「ご飯」や「野菜」の焦げは心配ないといわれます。

焦げの「量」

実際にマウスを使った動物実験が行われていますが、この実験で発ガン性が認められたのは、「大量の焦げを1年間食べ続けた場合」だったとされています。

人間に換算すると、「体重の約4倍(体重60kgの人なら240kg)の焦げを毎日食べ続けた場合」に相当するといわれます。

現実的には、あり得ない状況です。

また、別の実験では、「人の細胞が焦げによって異変を起こす可能性は、マウスの10分の1程度しかない」ということも分かっているといわれます。

ということなので、普段の食事レベルでは、ガンを心配して焦げを食べることに神経質になる必要はなさそうです。

ガンの発症を防ぐために

ガンの発症リスクを高める要因は、「焦げ」以外にもたくさん存在するといわれます。

ガンは、一つの要因というよりも、複数の要因が重なって発症するものと考えられているので、普段の生活習慣や食生活の中でガン予防を心がけることが肝心といえそうです。

ちなみに、2011年に「国立がん研究センターがん予防・検診研究センター」がまとめた「がんを防ぐための新12か条」が公開されていますが、そこには「焦げ」についての記載はありません。

「がんを防ぐための新12か条」
1.たばこは吸わない
2.他人のたばこの煙をできるだけ避ける
3.お酒はほどほどに
4.バランスのとれた食生活を
5.塩辛い食品は控えめに
6.野菜や果物は不足にならないように
7.適度に運動
8.適切な体重維持
9.ウイルスや細菌の感染予防と治療
10.定期的ながん検診を
11.身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
12.正しいがん情報でがんを知ることから

スポンサーリンク
aoiをフォローする
調べて分かった気になる疑問・豆知識