重要なプレゼンをするときや、大勢の人の前でスピーチをするときなど、緊張すると、何となく、口臭が強くなったように感じることがあります。
実際に、「緊張が原因で口臭が強くなる」ということはあるのでしょうか。
「口の渇き」と「口臭」
普段、口の中は、「唾液」で適度に潤っている状態になっているといわれます。
唾液の分泌は、自律神経(交感神経と副交感神経)によってコントロールされているとされますが、
緊張すると、「交感神経」が活発に働くようになり、唾液の分泌が抑えられて、口の中が「乾いた状態」になっていくといわれます。
緊張すると「喉が渇く」こともありますが、これにも、交感神経の働きが関係しているといわれています。
「唾液」は、いろいろな役割を果たしていて、口の中の細菌をやっつけたり、汚れを洗い流したりして、「口臭を防ぐ」作用もあるといわれます。
「唾液の量」が少なくなると、口の中の「自浄作用」が弱くなってしまって、細菌が繁殖しやすくなり、「口臭」が強くなってしまうというわけです。
緊張した時の口臭対策
「緊張が原因の口臭」が気になる時の対処としては、リラックスして「水」や「お茶」を飲んで、水分を補給し、「口の中を潤す」ようにすると良いといわれます。
抗菌作用がある「カテキン」が含まれている、「緑茶」や「紅茶」などは、口臭対策としては、特に良いとされます。
糖分のあまり含まれていない「ガムを噛む」ことで、「唾液の分泌を増やす」のも、効果があるといわれています。
また、「歯磨き」や「マウスウォッシュ」などで「口の中を清潔にする」ことで、口の中の細菌を減らすのも、口臭対策として効果的とされます。
さらには、唾液の分泌を促すため、「舌下腺(ぜっかせん)」「耳下腺(じかせん)」「顎下腺(がっかせん)」などの「唾液腺」をマッサージするのも、対処法の一つといわれています。
胃腸の働きの低下
緊張が続くと、自律神経の働きが乱れて、「胃腸の働き」が低下してしまうこともあるといわれます。
そうなると、「消化不良」を起こしたり、「便秘」になったりして、胃や腸で「悪臭ガス」が発生してしまうこともあるといいます。
この「悪臭ガス」が、血液にのって肺にまで運ばれてくると、息から「くさい臭い」が漏れてしまうことにもなりかねません。
これも「緊張が原因の口臭」といえるかもしれませんが、この場合には、「口の中」に原因があるわけではないので、「歯を磨いたり」「口の中を潤したり」しても、そんなに「口臭対策」としての効果が期待できるわけではありません。
対策としては、胃腸の調子を改善することが重要になります。