「片頭痛」の特徴と兆候/その時の対処は?

片頭痛を起こした人

片頭痛は、慢性的に起こる頭痛の代表格といえます。

日本で片頭痛に悩まされている人は、約840万人いるともいわれていて、思春期から中高年に至るまで、幅広い年代の人が悩まされているといわれています。

「片頭痛」の現れ方・頻度

「片頭痛」は、こめかみの付近がズキンズキンと心臓の鼓動に合わせるようにして痛む、「発作性の頭痛」です。

頭の片側にだけ痛みが起こることが一般的ですが、両側が痛むこともあるといわれます。

片頭痛が起こっている最中に、体を動かして頭の位置が変わると、痛みが強くなるのも特徴の一つとされます。

「1ヶ月に1~2回程度」の頻度で起こることが多いといわれますが、人によっては、「1週間に1~2回」起こることもあるといいます。

一旦片頭痛が起こると、「4時間~数日」痛みが続くということがほとんどだといわれます。

片頭痛が起こる原因には、脳内物質の「セロトニン」が関係しているといわれていて、セロトニンの分泌の増減に伴って脳の血管が広がり、周りの神経を刺激することによって片頭痛が起こるとされています。

「痛み」以外の症状

片頭痛が起こると、「音」「光」「におい」などに敏感になって、「騒がしい場所」や「明るい場所」では、痛みが増すこともあるといわれます。

片頭痛を起こしている時には、皮膚の感覚が過敏な状態(アロディニア)になり、「痛みのために洗髪や整髪ができない」「腕時計や下着など、肌に触れるものを着けるのが不快に感じる」こともあるようです。

片頭痛が起こっている最中には、「吐き気」を感じたり「おう吐」したりすることもあるので、日常生活や社会生活に支障をきたすことも少なくないといわれます。

「兆候」としては、片頭痛が起こる数時間~数日前から、「生あくび」「空腹感」「首や肩のこり」などの症状が見られることが多いといわれています。

また、痛みが起こる直前には、「目の前がチカチカする」「ギザギザしたものが見える」こともありますが、これは、脳の視覚を司る部分の興奮が高まることで生じるもので、「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれていて、脳の興奮性が高い人に現れやすい症状だといわれます。

スポンサーリンク

「片頭痛」の誘発

脳の感覚が敏感な人は、片頭痛を起こしやすいといわれます。

ちょっとした刺激や変化を敏感に感じとり、「必要以上に脳の興奮を高めてしまう」ことによって、痛みの症状として現れるからです。

片頭痛の本質は、「脳の興奮性の高さ」にあるといえるのかもしれません。

脳に異常な興奮をもたらす「要因」となるのが、「音」「光」「におい」「気温の変化」「気圧の変化」などだといわれます。

これらは、片頭痛を「誘発」するだけではなく、痛みの最中には、痛みを「悪化」させる要因にもなるとされています。

これらの要因のほかにも、「睡眠不足」「疲れ」「ホルモンの変動」などの体調の変化も、片頭痛を誘発する「要因」になるといわれています。

体の内部で生じている変化そのものが刺激になって、片頭痛を誘発することもあるというわけです。

特に、女性ホルモンが変動する「月経前後」「排卵日」には、片頭痛が起こりやすくなるといわれています。

「片頭痛」を起こしやすいタイプ

片頭痛は「脳の異常な興奮」が痛みとなって現れるので、片頭痛を起こしやすい人は、「脳が興奮しやすい」タイプの人だといえます。

脳が興奮しやすいということは、「脳の働きがとても活発」ということで、様々な場面でちょっとした変化でも敏感に感じとることができるということです。

言い換えれば、「頭の回転が速い」ということなので、片頭痛のある人は、才能に恵まれた人が多いともいわれています。

「脳の興奮性の高さ」は、生来の体質に左右されるといわれていて、子供の頃から特徴的な「行動」「性格」が見られることが多いといわれます。

・発熱した時に、けいれんを起こしやすい。
・乗り物に酔いやすい。
・周期的におう吐を繰り返す。
・季節の変わり目に体調が悪くなる。
・落ち着きがない。
・人混みを嫌う。

これらは、子供の頃に現れやすい「片頭痛体質のサイン」だといわれています。

「片頭痛」の兆候

片頭痛が起こる前には、「体に変調」が起こりやすくなるといわれています。

「肩こり」「あくび」「空腹感」などが、「兆候」としてよく見られる症状ですが、これらの症状は、片頭痛が起こる「数時間前~数日前」に現れることが多いといわれています。

片頭痛が起こる直前には、「目の前がチカチカ」することもあるようです。

女性の場合は、「月経前後」「排卵日」が要注意とされます。

片頭痛の兆候をしっかりキャッチして、適切な対処をすれば、痛みをコントロールすることも、ある程度可能になるといわれます。

肩こり

片頭痛が起こる数時間前から、「肩こり」がすることがよくあります。

片頭痛の初期段階では、頭や顔の感覚異常が現れやすくなりますが、「肩こり」もそのうちの一つの症状として現れることが少なくありません。

あくび

「生あくび」を連発するようになったら、「片頭痛の危険信号」だといわれます。

片頭痛では、血管が拡張することが原因になって痛みが生じますが、片頭痛が起こる前には、一旦血管が収縮して血流が悪くなる状態になるといわれています。

そのため、酸素が不足して、「あくび」が出るというわけです。

「生あくび」が続く時には、「カフェイン」を含むコーヒーや紅茶などを飲めば、血管の拡張が抑えられて片頭痛を防げることもあるようです。

空腹感

片頭痛が起こる数時間前には、「空腹感」を感じることもよくあるといわれます。

空腹感を感じる時には、血液中の糖分が減少していて、脳の血管が緩む寸前の状態になっているのかもしれません。

こんな時には、飴をなめるなどして「糖分を補給」すれば、脳の血管が収縮して片頭痛を回避できることもあるようです。

飴などは、いつでもなめられるように、常に携帯するようにするといいかもしれまん。

むくみ

片頭痛が起こる前には、「排尿の回数が減少する」ことが多いといわれるので、体に余分な水分がたまって、全体的に「むくんだ状態」になりやすくなるといわれます。

「むくみ」が、脳の血管にまで及ぶと、片頭痛を起こす可能性がでてくるといわれます。

トイレの回数が減って、「むくみ」を感じるようになったら、片頭痛の兆候かもしれません。

視覚異常

片頭痛が起こる直前には、目の前がチカチカするといった「視覚異常」が起こることもあるといわれます。

これは、脳の視覚野の血管が、一時的に収縮して血液の量が少なくなることで生じる症状とされます。

この時に、その後に起こる血管の拡張を抑えるために、カフェインを摂取することで、片頭痛を抑えられることもあるといいます。

感覚異常

片頭痛の痛みが軽いうちは、「髪に触ると頭皮に違和感を感じる」「風が当たると顔に痛みを感じる」
痛みが強くなると、「手がしびれたりする」という「感覚異常」が現れることもあるといいます。

片頭痛の痛みが軽い時に現れる症状をよく把握しておいて、その段階で対処することがポイントになりそうです。

痛みが強くなってから、鎮痛剤などを服用しても、ほとんど効果は期待できないといわれています。

月経前後、排卵日

片頭痛は、女性ホルモンの「エストロゲン」と密接な関係があるとされています。

「月経の前後」「排卵期」には、「エストロゲン」が急激に変動して分泌されますが、それを脳が敏感に感じとって片頭痛を起こしてしまうというわけです。

妊娠中には、片頭痛が起こりにくくなるといわれますが、これは、女性ホルモンの変動が抑えられるためだといわれています。

月経周期に関連して起こる可能性がある片頭痛ですが、自分の体のリズムを把握していれば、予想もしやすいので対応しやすいともいえます。

片頭痛が起こるタイミングをしっかりと見極めて対処する必要がありそうです。

まとめ

片頭痛の強い痛みが、急に襲ってくるということは、ほとんどないといわれています。

片頭痛が起こる前には、ほとんどの場合、何らかの兆候が見られるといわれているので、そのサインを見逃さないようにして、早めに対応することを心がけたいですね。