パソコンが苦手な人の大きな理由の一つに、「キーボードの文字配列が、複雑でわかりにくい」ということがあります。
確かに、パソコンのキーボードの配列は、「アルファベット」も「かな文字」も、とても複雑で、不思議な配列になっています。
キーボードの配列に、何らかの規則性はあるのでしょうか。
アルファベットの配列
キーボードの「アルファベットの配列」は、1800年代に改良されていった「タイプライターの配列」が、現在でもそのまま使われているといわれています。
アルファベットの配列は、
・上段左から、QWERTYUIOP
・中段左から、ASDFGHJKL
・下段左から、ZXCVBNM
このアルファベットの配列は、上段左からの6文字の並びをとって「QWERTY配列(クワーティー配列)」と呼ばれています。
タイプライターは、インクリボンをタイプバーで叩いて印字するという仕組みです。
使用頻度の高い文字が隣同士にあるとタイプバーが絡まってしまうので、それを避けるようにしながら、しかも、打ちやすくするということで考え出されたのが「QWERTY配列」だといわれていますが、その真偽のほどは定かではないようです。
そのタイプライターの配列が、その後、「ワープロ」「パソコン」に引き継がれ、現在に至っているというわけです。
タイプライターではなく、パソコンが主流となった現在では、キーボードのアルファベットの並びは「QWERTY配列」である必要性はないようにも感じられますが、今でも圧倒的に普及している配列が「QWERTY配列」です。
かな文字の配列
左上段から「ぬふあうえお‥」と並んでいる「かな文字の配列」も、「カナタイプライター」から引き継がれたもので、1980年にJIS規格として、「QWERTY配列」と合わせて制定されています。
その後、新JIS規格も決められましたが、こちらは普及しないまま規格廃止となっています。
Dvorak配列
キーボードの配列は「QWERTY配列」が一般的ですが、その他の配列もあります。
1936年に、教育心理学者のDvorak(ドボラック)博士が「Dvorak配列」を開発して、特許を取得しています。
アルファベットの出現頻度に基づいて「打鍵(だけん)効率」を追求した配列で、タイプコンテストなどの優勝者の多くは、この「Dvorak配列」を使っているといわれています。
キーボードを打つ際の指の距離移動が少なく、腱鞘炎にもなりにくいといわれている「Dvorak配列」ですが、「QWERTY配列」が主流となっている現状では、あまり普及はしていないようです。