1円玉は、金属なのに「水に浮く」理由は?

「1円玉」を静かに水の上におくと、沈まずに、水の上に浮いたままになります。

1円玉が水に浮くのは、1円玉の比重が、水の比重よりも小さいから、というわけではありません。

1円玉は、アルミニウムでできていますが、アルミニウムの比重「2.6」です。

これは、比重「1」の水よりも、はるかに重いので、本来であれば、1円玉は、水の中に沈んでしまっても、おかしくないはずです。

実際、一旦1円玉が、水の中に沈んでしまうと、再び、浮かび上がってくることはありません。

どうして、1円玉は、水に浮くことができているのでしょう。

水の表面張力

水よりも重いはずの「1円玉」が、水の上に浮いていることができるのは、水の「表面張力」のためといわれます。

「表面張力」とは「液体の表面積を小さくしようとする力」のことで、水だけに限らず、液体は、表面の分子が引き合って、表面積を小さくしようとする傾向があるといわれます。

水滴が丸くなったり、シャボン玉が球体になったりするのも、表面積を小さくしようとして、表面張力が働いているからとされています。

これらと同じように、水の上に1円玉を浮かべた時にも、「水の表面張力」が働きます。

水の表面は、分子同士が、密な状態になっているので、薄い形状の1円玉では、「水の表面張力」の分子の繋がりを壊すことができずに水に浮いたままになるというわけです。

1円玉に限らず、薄い板状の形のものなら、水よりも比重が大きいものでも、水の表面張力によって、沈まずに水に浮いたままの状態になるといわれています。