秋になると涼しげな鳴き声を響かせる「コオロギ」ですが、コオロギの「鳴き声の回数」で「気温」が分かるのだといいます。
昆虫は、自分で体温を調整することができない「変温動物」です。
変温動物は、
「気温が上がる」と、動きが活発になって「鳴き声の回数が増え」、
「気温が下がる」と、動きが鈍くなって「鳴き声の回数が減る」
といわれています。
「鳴き声」といいますが、実際のところは、コオロギが声を出して鳴いているわけではなく、「左右の羽をこすり合わせ」て音を出していて、この音のことを「鳴き声」と呼んでいます。
この「鳴き声」に注目した科学者が、いろいろな気温のもとで、コオロギの鳴き声の回数を研究しました。
その結果、「コオロギの鳴き声の回数」で「気温」が計算できる、ということを発見したのだといいます。
その計算方法とは、次のようなものです。
「鳴き声の回数」から「気温」を計算
まず最初に、コオロギが「15秒間に鳴いている、鳴き声の回数」を数えます。
次に、その「鳴き声の回数」に「8」をたします。
最後に、その「答え」に、「5」をかけてから「9」で割れば、「気温」が分かるといいます。
式で表すと、
「気温」={(鳴き声の回数)+ 8 }× 5 ÷ 9
となります。
具体的な例を挙げると、
例えば、コオロギが「15秒間」に平均で「18回」鳴いたとすると、
(18 + 8)× 5 ÷ 9 = 14.444‥となり、
気温は「約14.4℃」ということになります。
また、「15秒間」に「30回」鳴けば、
(30 + 8)× 5 ÷ 9 = 21.111‥となり、
気温は「約21.1℃」というわけです。
コオロギの3種類の鳴き声
秋口になると、コオロギの鳴き声を、よく聞くようになりますが、コオロギの鳴き声には、3種類あって、それぞれの鳴き声を、使い分けているといわれています。
メスに存在を知らせるため
メスに存在を知らせるために鳴くのが、一般的なコオロギの鳴き声といわれていて、遠くのメスにも聞こえるような、よく響く大きな音の鳴き声といわれます。
メスは、この鳴き声を聞いて、オスの方へ向かっていくとされます。
メスにアピールするため
メスが近づいてきたときに、メスにアピールするために鳴く時の声は、優しく囁くような静かな鳴き声といわれます。
メスは、この鳴き声を聞いて、そのオスをパートナーとするかどうかの判断をするといわれます。
威嚇のため
コオロギのオス同士が縄張り争いをする際、相手を威嚇する時にも鳴くとされています。
この時の鳴き声は、普段の鳴き声とは違い、短く切れるような鳴き声といわれます。
~・~・~・~・~・~・~
夏も終わりに近づき、朝夕が涼しくなる頃には、「虫の鳴き声」で「秋の気配」を感じるということもよくあります。
コオロギをはじめ、いろいろな虫の鳴き声を聴きながら、深まっていく秋を楽しみたいですね。