動物園でも人気が高い「ヤギ」ですが、日本で飼われているヤギは、西アジアの山岳地帯にいた「野生」のヤギを、「家畜」として飼いならしたものだといわれています。
「ヤギは紙を好んで食べる」といわれたりもしますが、それは、大きな間違いでした。
「紙」を「草」と勘違い
ヤギは、ヒツジや牛などと同じ「草食動物」で、「繊維質の多い植物」を好んで食べるといわれています。
ヤギは、牛と同じように「4つの胃」を持っていて、食べた草などを何度も「反芻(はんすう)」して、消化していきます。
(反芻:一度食べたものを口に戻して噛んで、また胃に戻すこと)
「紙」も「植物の繊維」からできているので、実際に「ヤギは紙を食べる」のですが、これは、「紙」を「草と勘違い」して食べていると考えられています。
牧場で「木の葉」や「草」を食べているヤギは、紙は、ほとんど食べないといわれます。
いくらヤギが繊維質が好きだといっても、本来、食べ物でない人工の「紙」よりも、自然の「草」の方を好むというのは、当然といえば当然のことかもしれません。
昔の紙は、ほとんど「植物の繊維」だけでできていたので、体の中で分解できていたといわれますが、
最近の紙には、「インク」や「化学物質」など、いろいろなものが含まれているので、体の中で分解できずに、「腸閉塞」などを起こすヤギもいるようです。
ヤギには、紙を食べさせないようにした方が良さそうです。
加工食品も基本的にはNG
草以外に、パンなどの食べ物をヤギに与えることがあります。
しかし、パンを始めとした、人間用に「加工された食品」などをヤギに大量に与えると、容易に分解されてしまうため、反芻胃で異常発酵を起こして、体に変調をきたし、最悪の場合は、死に至ることもあるといわれます。
これは、ヤギだけではなく、反芻動物には、一般的にいえることのようです。
動物園などでヤギに餌を与えるときは、販売されている専用の餌を与えるなど、その施設の指示に従うようにしましょう。