いろいろな料理に使える「卵」は、いつも冷蔵庫に常備しておきたい食品の一つです。
卵は、サッと焼いて卵焼きにしても美味しいですが、「ゆで卵」も人気のある卵料理です。
卵を「生卵」の状態で保存する場合には、比較的長持ちして、冷蔵庫で保存すれば、2週間程度の賞味期限があるといわれます。
寒い冬の時期なら、冷蔵庫に入れなくても、1ヵ月以上の賞味期限があるともいわれます。
この日持ちがする「生卵」を「ゆで卵」の状態にすると、賞味期限はどれくらいになるのでしょう。
加熱して「ゆで卵」にすることで、賞味期限は長くなるのでしょうか、それとも短くなるのでしょうか。
また、保存方法はどのようにするのがいいのでしょう。
「ゆで卵」の「賞味期限」
卵は、「ゆで卵」にすると、「生卵」の状態の時よりも、賞味期限が短くなるといわれます。
加熱した「ゆで卵」の方が、「生卵」よりも賞味期限が短くなるというのは、意外かもしれませんが、これは、「生卵」には「リゾチーム」という雑菌を分解する作用のある酵素が含まれているためです。
加熱することで、このリゾチームがなくなってしまうので、「ゆで卵」は「生卵」に比べて、雑菌が繁殖しやすい状態になっているというわけです。
冷蔵庫で保存
「固ゆで」にした「ゆで卵」の賞味期限は、「冷蔵庫で保存」した場合には
「殻がついたままの状態なら3日程度」
「殻をとった状態なら12時間程度」
といわれています。
「ゆで卵」は、殻がついたままの方が長持ちするので、できるだけ殻をつけたままで保存するようにして、食べる直前に殻をとるようにするといいです。
ただ、殻がついていても、ヒビが入っている場合には、賞味期限は2日程度と短くなってしまうといわれています。
卵をゆでる際にヒビが入ることもありますが、「生卵」を常温の状態にしてから茹で始めると、殻にヒビが入りにくくなるといわれます。
「ゆで卵」は、殻がついたままの状態の方が傷みにくいので、弁当などで持って行く場合にも、できるだけ殻つきのままで持って行くようにするといいかもしれません。
常温で保存
殻をとった「ゆで卵」は、基本的に、常温保存は好ましくないといわれます。
「殻つき」の場合でも、冬場以外は、常温保存はしない方が無難なようです。
「ゆで卵」は雑菌に弱く、常温で保存すると雑菌が繁殖しやすくなりますが、特に夏場の常温保存は、食中毒の原因になるサルモネラ菌が繁殖しやすいため、非常に危険といわれます。
食中毒を引き起こす細菌は、20℃を超えると活発化し、37~40℃位で最も増殖しやすくなるといわれています。
細菌が増殖しにくくなるのが10℃以下で、0℃位になると増殖しなくなるといわれるので、「ゆで卵」を「常温保存」できるのは、冬場のみと考えておくといいです。
「冬場」に「殻つき」の「ゆで卵」を常温保存する場合、賞味期限は2~3日以内といわれています。
半熟のゆで卵
「ゆで卵は半熟が美味しい」という人もいますが、「半熟のゆで卵」は「固ゆでのゆで卵」よりも傷みやすいので、殻がついている場合でも、その日のうちに食べてしまうのがベストです。
常温の場合、12時間以上経った「半熟のゆで卵」は、雑菌が発生している可能性が高いといわれています。
弁当に持って行く場合は、「固ゆで」にした方が良さそうです。
傷んだゆで卵を見分ける
茹でてから時間が経った「ゆで卵」は、食べる前に、傷んでいないかどうかを確認することも大切です。
・異臭がする
・ぬめりがある
・糸を引いている
というような状態になっていたら、食べないように。
「ゆで卵」は、茹でる時間が長いと、卵の硫黄成分と鉄分とが反応して、黄身の表面が黒っぽく変色したり、緑っぽく変色したりすることがありますが、茹でてから時間が経っていなければ、食べても問題はないといわれています。
煮卵にする
卵を加熱すると賞味期限は短くなりますが、「ゆで卵」を「煮卵」にすると、賞味期限が少し長くなって、冷蔵庫で5日程度になるといわれています。
「ゆで卵」の殻をとって、醤油・砂糖・酒・酢・豚肉・水などといっしょに煮込めば、おいしい「煮卵」ができます。
弁当に持って行くときなどは、ゆで卵よりも煮卵の方が傷みにくいので、少し安心できそうです。
まとめ
「ゆで卵」は加熱しているので、「生卵」よりも日持ちがするというイメージがあるかもしれませんが、実際には、加熱することで雑菌が増えやすい状態になっています。
「ゆで卵」をすぐに食べない場合には、常温では保存せず、殻をつけたまま冷蔵庫で保存し、遅くても3日以内には食べてしまいたいです。
「半熟」の「ゆで卵」も美味しいですが、「半熟」の場合は、「固ゆで」のものよりも傷むのが早くなります。
「固ゆでのゆで卵」も「半熟のゆで卵」も、茹でてすぐの温かいうちに食べるのが一番美味しいです。
「ゆで卵」は、茹でたその日のうちに美味しく食べるようにしたいです。