卵は「常温」で販売されていますが、買って帰ると「冷蔵庫」で保存することがほとんどです。
卵を冷蔵庫で保存するのは、冷蔵庫に卵を入れる専用のフォルダが用意されていることも関係しているようですが、卵を保存する場合、「常温」と「冷蔵庫」のどちらが好ましいのでしょう。
卵の常温での保存
卵は冷蔵庫で保存するイメージが強いですが、直射日光を避けて風通しのよい場所で保管すれば、季節を問わず、常温で卵を保存することに特に問題はないといわれます。
卵には賞味期限がありますが、これは、卵を生で食べても美味しく安全に食べることができる期限です。
一般的に、卵は気温が低い方が長持ちするので、賞味期限は季節によって異ります。
賞味期限の具体的な目安は、次のとおりとされています。
・春期(4~6月):産卵後25日程度
・夏期(7~9月):産卵後16日程度
・秋期(10~11月):産卵後25日程度
・冬季(12~3月):産卵後57日程度
実際パックに表示されている賞味期限は、安全性のことも考慮し、年間を通して「パック後2週間(14日)程度」とされていることが多いようです。
卵が常温で販売されている理由
卵は温度が低い方が長持ちしますが、ほとんどのスーパーでは、冷蔵せずに常温で陳列して販売されています。
卵が常温で販売されているのは「卵を冷蔵すると殻の表面に結露がつきやすくなり、殻の気孔から雑菌が卵の中に入り込んでしまう可能性があるから」という理由からだといわれます。
できるだけ温度や湿度の変化を少なくして結露による卵の傷みを防ぐために、常温で販売されているということのようです。
保存は「常温」それとも「冷蔵」?
販売時には、ほとんどの場合が常温で陳列されている卵ですが、家で保存する際には、冷蔵庫に入れて保存することがほとんどです。
直射日光があたらない風通しのよい場所で保管すれば、家でも、卵を常温保存して大丈夫だといわれます。
ただ、サルモネラ菌などの細菌の増殖の関係から、「安定的に10℃以下」で保存していれば「長期保存」が可能だといわれていて、温度管理のことを考えると、家庭での卵の保存は「冷蔵庫」で保存するのが望ましいといわれています。
サルモネラ菌は熱に弱いので、一定期間常温で保存した卵は、生で食べるのは避けてしっかりと加熱調理をして食べると安心です。
卵の保存方法
卵の保存は基本的には冷蔵庫ですが、冷蔵庫で上手く保存する際のポイントは次のとおりです。
卵の尖った方を下に
卵をより長持ちさせるように保存するためには、「卵の尖った方を下に向けて」保存すると良いといわれます。
卵の丸い部分の方には「気室」という空気の部屋があります。
卵の尖った方を下にして丸い部分を上にすることで、古くなった卵の卵黄が浮かんできたとしても、気室があることで直接卵黄が殻に触れることがないため、鮮度が長持ちするといわれています。
冷蔵庫のドアポケットで保存しない
「卵の保存」といえば冷蔵庫の扉の「ドアポケット」ですが、このドアポケットは、卵を保存するのにはあまり好ましい場所ではないといわれます。
卵を保存する場所として設置されているのがドアポケットにある卵フォルダーですが、ここに卵を置いていると、冷蔵庫の扉を開閉する際に、その振動によって卵の殻にヒビが入ってしまう可能性があるというのです。
殻にヒビが入ると、そこから菌が侵入して卵が早く傷んでしまいます。
冷蔵庫の扉の付近は、扉の開閉によって冷蔵庫の奥と比べて温度変化が大きくなりますが、これらも菌が繁殖する原因になり得るといわれています。
卵を冷蔵庫のドアポケットで保存するのは、できれば避けた方が良さそうです。
パックに入れたまま保存する
冷蔵庫の卵フォルダーがドアポケット以外のところにある場合もありますが、こちらの利用もできれば避けるようにした方が良いようです。
卵フォルダーを利用するためには、卵をパックから出してフォルダーに置くことになりますが、卵をパックから出してしまうと、衝撃を受けやすくなったり、殻の気孔から細菌が侵入しやすくなったりしてしまうからです。
卵は、パックに入れたままの状態で保存するのが良いといわれています。
卵を洗って保存しない
卵を冷蔵で保存する際、卵の汚れが気になって水で洗ってから保存することもあるようですが、水が殻の気孔から卵の中に入り込んで、細菌を繁殖させる原因にもなりかねないといわれます。
買ってきた卵は、洗わずにパックに入れたままの状態で冷蔵庫で保存するのが良いようです。
まとめ
卵は、常温でも冷蔵でも保存が可能ですが、家で保存する場合は、常温よりも冷蔵庫の方が安心して保存できそうです。
冷蔵庫で卵を保存する場合には、冷蔵庫の卵フォルダーは使わず、卵の尖った方が下になるように、パックに入ったままの状態で保存するのが良さそうです。