「太平洋」と「大西洋」の境界はどこ?

陸の「地図」と同じように、海にも「海図」というものがあります。

海図は、国際水路機関(IHO)が作成していて、「太平洋」「大西洋」「インド洋」という大きな海洋にも、境界線が規定されています。

この海図によると、「太平洋」には、ベーリング海、オホーツク海、黄海、東シナ海、日本海、濠亜地中海(スンダ列島、フィリピン、ニューギニア、オーストラリアで囲まれた海)などが、含まれます。

「大西洋」には、カリブ海、地中海、黒海、バルト海などが含まれ、「インド洋」には、紅海、ペルシャ湾などが含まれます。

地球の海は、大きく「太平洋」「大西洋」「インド洋」の「3つの海洋」に分かれていることになります。

海洋の境界線

海図では、「太平洋」「大西洋」との境界は、南アメリカ大陸最南端のホーン岬から南極大陸に至る、「西経67度16分」となっています。

「大西洋」「インド洋」の境界は、アフリカ大陸最南端のアガラス岬から南極大陸に至る、「東経20度1分」です。

ちなみに、「インド洋」は、北はベンガル湾からアラビア海、南はオーストラリア西部の海域までです。

海にも、明確な線引きがあるということになります。

よく「7つの海」と言われますが、それが、どの海をさすかは、時代によって変わっているようです。

中世のころには、「南シナ海」「ベンガル湾」「アラビア海」「ペルシア湾」「紅海」「地中海」「大西洋」を指していたようですが、
現在は、「北太平洋」「南太平洋」「北大西洋」「南大西洋」「インド洋」「北極海」「南極海」を指すといわれています。

「7つの海を行く」といえば、「世界中の海を行く」という意味で使われます。

太平洋(Pacific Ocean)

「太平洋」は、「アジア大陸(ユーラシア大陸)」「オーストラリア大陸」「南極大陸」「アメリカ大陸」に囲まれた海といえます。

「太平洋」のうち、赤道から北側は「北太平洋」、南側は「南太平洋」と呼ばれています。

「太平洋」の名前の由来は、1520年~1521年に、探検家のマゼランが、世界一周航海の途上で、マゼラン海峡を抜けて太平洋入った際に、大西洋と比べて、大変穏やかであったことから、「平和な海」と表現したことに、由来しているといわれています。

「太平洋」の広さは、約1億5,555万7千平方キロメートルで、地表の3分の1を占めるといわれています。

大西洋(Atlantic Ocean)

「大西洋」は、「ヨーロッパ大陸」「アフリカ大陸」「アメリカ大陸」に囲まれた海といえます。

「大西洋」のうち、赤道から北側は「北大西洋」、南側は「南大西洋」と呼ばれています。

「大西洋」の名前の由来には、いろいろな説がありますが、一番有力なのが「泰西」に基づくという説です。

「泰西」は、元々は、「ヨーロッパ」を指す中国語で、日本においても、様々な文献等に、その名が書かれているといわれます。

「泰」は「大」と同系の語であり、このことから、「泰西洋」→「大西洋」となったといわれています。

大西洋の広さは、約8,860万平方キロメートルで、太平洋の約半分程度です。

インド洋(Indian Ocean)

「インド洋」は、「アフリカ大陸」「オーストラリア大陸」「インド」に囲まれた海といえます。

サウジアラビア、イラン、インド、西オーストラリア沿岸部には、豊富な天然ガスの埋蔵が確認されていて、推計で、世界の海底油田からの産出量の40%は、インド洋から産出されるものといわれています。

インド洋の広さは、約7,340万平方キロメートル。

「太平洋」「大西洋」「インド洋」の三大洋の中で、最も狭い海が「インド洋」です。