持ち運び用の電気製品などには欠かせない「乾電池」は、日常生活には欠かせない生活必需品です。
乾電池のサイズは、単1、単2、単3‥というように、「単~」と呼ばれますが、「単」にはどんな意味があるのでしょう。
単位電池
1930年代頃までは、強い電池を作るには、「何個かの電池を1つにまとめる」という方法がとられていたといいます。
その後、技術が進んで一個だけで強い乾電池が作れるようになっていきますが、このことが、乾電池のサイズの呼び方に関係していました。
乾電池のサイズが「単~」と呼ばれる由来になったのが、英語の「unit cell(ユニット セル)(=単位電池)」といわれます。
「単一のセルで作られた電池」は、「単位電池」の「単」をとって、「単~」と呼ばれるようになったといわれています。
「単~電池」は「単一のセルで作られた一つの電池」という意味といえます。
複数のセルで作られた電池は「積層電池」と呼ばれますが、こちらは「単~」とは呼ばれていません。
数字は「作られた順番」
「単」の後ろの「数字」は、「乾電池が作られた順番」だといいます。
当時は、現在のように、発電効率の良い乾電池を作る技術がなかったので、「大きな乾電池」から順番に作られていき、早く作られた順番(大きい順)に、単1、単2、単3‥と呼ぶようになったといわれます。
ただし、乾電池のサイズを「単~」と「単」をつけて呼ぶのは、日本だけのようです。
アメリカでは、単1は「D」、単2は「C」、単3は「AA」、単4は「AAA」と呼ばれていて、
国際規格では、単1アルカリ電池は「LR20」、単2アルカリ電池は「LR14」、単3アルカリ電池は「LR6」、単4アルカリ電池は「LR03」となります。
乾電池を発明したのは日本人
乾電池を最初に発明したのは、日本人だといわれています。
1887年(明治20年)に、時計技師の屋井先蔵(やいさきぞう)という人が、寒冷地でも使えるようにと開発した「屋井乾電池」が、最初の乾電池だとされています。
乾電池開発の起源は、時計にあったということのようです。