フレンチシェフのトレードマークといえば、「白くて長い帽子」。
どうして、あんな長い帽子をかぶっているのでしょう。
「料理」に「長い帽子」。どんな意味があるのでしょうか。
長い帽子は「お洒落」
シェフの「長い帽子」が、定着していった背景には、フランス人の「お洒落心」が、大きく関係しているといわれています。
18世紀に、フランスで活躍したシェフに、カントナン・カーレムという人がいました。
彼は、お客さんの中に、白くて長い帽子をかぶった紳士を見つけ、それを、とてもお洒落に感じると、早速真似て、厨房でも、同じような「長い帽子」をかぶるようになったといわれています。
当時、彼は、最高の料理人と呼ばれていたので、このことが、アッという間に、料理人の間で流行していき、やがて、「シェフの代名詞」として定着していったといわれます。
シェフの帽子の長さが、今のように、とても長くなったのは、1900年頃のオーギュスト・エスコフェという、フレンチの達人の影響といわれています。
彼は、「背の低さ」にコンプレックスを感じていたといいます。
背の低さを、少しでも目立たなくしようと、とても長い帽子をかぶるようになったのが、今のような、長い帽子の始まりだといわれています。
「帽子の長さ」が地位を表すことも
日本では、帽子の長さが、料理人の「地位の高さ」を表すこともあるといわれます。
某有名ホテルでは、帽子の長さは、料理人見習いが「18cm」、7年目以降のキャリアを持つ料理人が「23cm」、料理長以上が「35cm」と決められているといわれています。
また、別の有名ホテルでは、管理職が「40cm」、それ以外の料理人が「30cm」と決められているともいわれますが、
普段は、頭のサイズに合った紙製の帽子をかぶっていて、お客さんの前に出るときだけ、長い帽子をかぶるのだといいます。
ちなみに、フランスには、コック帽の長さで、地位を表すといった習慣はないといわれます。
シェフの帽子の長さは、料理とは、直接関係なかったようです。