世の中に「右回り」のものは、たくさんありますが、「時計の針」は、その代表的なものです。
時計の針は、どうして「左回り」ではなくて、「右回り」なのでしょう。
それは、時計のルーツに秘密がありました。
日時計の「影の移動」
現在の時計は、日時計の「影の移動」に合わせて、「文字盤」が作られたといわれています。
「北半球」では、「太陽」は、東から昇って、南よりのコースをとって、西に沈みます。
この影響で、日時計の針の役目をする「影」は、「西→北→東」と「右回り」に移動していくことになります。
時計の針は、この影の動きに合わせて作られたため、「右回り」になったというわけです。
しかし、地球には、北半球だけでなく、南半球もあります。
「南半球」では、「太陽」は、東から昇って、北よりのコースをとって、西に沈むので、「影」は、「西→南→東」と、北半球とは逆の「左回り」に移動します。
「日時計の影」は、北半球では「右回り」ですが、南半球では「左回り」ということになります。
そうであれば、「左回りの時計」が、あってもよさそうな気もしますが‥。
時計を作っていたのが「北半球の国」
昔、時計を作っていた主な国は、「イタリア」「オランダ」「フランス」「スイス」「イギリス」「ドイツ」などであったといわれています。
これらの国は、どこも「北半球の国」でした。
時計を作っていた国のほとんどが、「北半球の国」だったので、「時計は、右回り」が、定番になったというわけです。
左回りの時計
右回りが、時計の定番ですが、理髪店などでは、「左回り」の時計を見かけることがあります。
一見すると違和感がありますが、髪の毛を切ってもらっているお客さんとっては、全く違和感がありません。
理髪店では、鏡越しに、髪を切ってもらう自分の姿を見ますが、そこに、時計が映っていると、普通の「右回り」の時計に見えるからです。
ちょっと気の利いた「サービス」というわけです。
「右回り」のことを「時計回り」と言ったりしますが、最近では、針のない「デジタル時計」が多くなってきているので、ひょっとすると、「時計回り」という言葉は、次第に、使われなくなっていくのかもしれません。