「そんなに暗いところで本を読んでいると、目が悪くなるからやめなさい!」と、お母さんから注意されることがあります。
しかし、暗いところで読書をすると、本当に目が悪くなるのでしょうか。
医学的な根拠はない
「暗いところで読書をすると目が悪くなる」というのは、医学的には根拠がないといわれています。
「視力低下」の最も大きな原因になっているのは「近視」といわれますが、「近視」は「目の水晶体」の厚みをうまく調節できなくなって、焦点が合わない状態とされています。
「近視」は、目の構造的なことが原因になっているとされていて、近くのものを見続けると「近視になりやすい」とされていますが、「近視」に「明るさ」は、あまり関係がないといわれています。
暗い場所での読書
「近視に明るさはあまり関係がない」としても、「暗い場所」で読書をすると、字が見えにくいので、無意識に「本を近づけて」読むようになるといわれます。
こうなると、「近いものを見続ける」ことになるので、結果的に「近視になりやすい状態」になってしまうのだといいます。
本を読む際の「明るさ」が、直接的に近視に影響を及ぼすことはないかもしれませんが、「暗い」という環境が、間接的に近視になりやすい状況を作りだしているということはあるのかもしれません。
一時的に視力が低下
「暗い場所」にいると、目はたくさんの光を取り入れようとして、「瞳孔」が開くとされています。
それとは反対に、読書などで近くのものを見るときには、目は「瞳孔」を縮めようとするのだといいます。
「暗い場所」で読書をすると、「瞳孔」が、それぞれ逆の方向に働こうとするので、目が緊張して疲れた状態になってしまうといわれます。
このことが、視力の低下につながるということはないとされていますが、「一時的にものが見えにくくなる」ということはあるといわれています。
目が疲れると、「焦点があいにくくなったり」「ぼやけたり」「かすんだり」することがあるので、目が悪くなったと「勘違い」してしまうことがあるのかもしれません。
しかし、「長期的な視力の低下」につながることは、ほとんどないといわれています。
ただ、「疲れ目が慢性的に続くと、視力低下につながる」という説もあるようです。
読書は、明るいところでした方が目が疲れにくいというのは、確かなことなので、やはり、暗いところで長時間読書をするのは、避けた方が無難なようです。