「引力」と「重力」の違いは?

物を引き寄せる力のことを「引力」といいますが、それとよく似た言葉に「重力」があります。

この二つの言葉は、同じような意味で使われますが、どんな違いがあるのでしょう。

引力

「引力」は、「離れている物体が互いに引き合う力」とされています。

「質量があるすべての物体は、互いに引力を及ぼし合うという」というのが、ニュートンの「万有引力の法則」です。

すべての物質は、引力を持ち合わせているので、例えば、二人の人が向き合って立っていれば、お互いに「引き合う力」が働いていることになります。

ただし、その場合の「引き合う力」は、人が実感することができないほどの「小さな小さな力」とされます。

磁石の「S極」と「N極」が引き合うのも、「引力」です。

「月が地球の周りを回っている」のも「引力」があるためで、「天体が運行している」のも「猿やリンゴが木から落ちる」のも、その原理は同じということになります。

「引力は、物質の質量に比例して大きくなっていく」とされているので、「大きな質量」の地球には、「大きな引力」があるというわけです。

重力

物が下に落ちるのは「重力」によるものですが、「重力」は、「地球上の物体」に対して働く「地球の引力」ということができます。

ただ、地球上の物体は、地球の「引力」と同時に、地球の自転による「遠心力」も受けているとされます。

「引力」と「遠心力」は「逆の方向」に作用するので、「重力」は「引力と遠心力とを合わせた力」ということになります。

地球上での「遠心力」は、地球の回転軸から遠く離れているほど「強く働く」とされていて、「赤道上」で最大「北極と南極」で最小となります。

このため、「赤道上」と「極付近」とでは、「重力の大きさが異なる」ことになります。

「赤道上」では「極付近」よりも遠心力が大きく、重力は「200分の1(0.5%)ほど小さく」なるとされていて、北極で1kgだったものは、赤道上では995gになるといわれます。

「重力=引力-遠心力」となるので、重力は、地球上の各地点でばらつきがあるということになります。