「じゃんけんぽん!」。
じゃんけんをする時の、最もシンプルなかけ声ですが、地方によっては、その他にも、いろいろなかけ声があります。
北海道の「じゃんけんしょ!」
東京の「ちっけった!」
大阪の「いんじゃんほい!」
鹿児島の「じゃんけんおす!」
などなど。
これらのかけ声の前に、「最初はグー!」といってから、ジャンケンを始めるというのは、全国的にも、定着しています。
テレビ番組から広まった「最初はグー!」
この「最初はグー!」というかけ声を、最初に使ったのは、ザ・ドリフターズの「志村けんさん」だといわれています。
1969年(昭和44年)から1985年(昭和60年)にかけて放送されていた「8時だよ!全員集合」という、高視聴率のテレビ番組の中で、初めて、「最初はグー!」というかけ声が、使われたといわれています。
この番組の、志村けんさんと仲本工事さんが、じゃんけんで対決するコーナーで、志村さんが、「最初はグー!」というかけ声をかけたのが流行し、全国的に定着していきました。
きっかけは、飲み屋でのじゃんけん
志村さんが、「最初はグー!」というかけ声を使うきっかけとなったのは、「8時だよ!全員集合」が終わってから飲みに行った飲み屋で、「支払いを決める時」のことだったといいます。
最初の頃は、たいてい、同じ人が支払いをしていましたが、毎回それでは、申し訳ないということで、じゃんけんをして、誰が支払いをするかを、決めるようになったといいます。
しかし、支払いの頃になると、みんなベロベロに酔ってしまっていて、なかなか、じゃんけんのタイミングが、合わなかったのだそうです。
そこで、志村さんが、「さあ、みんな手を上げて!最初はグーですよ!」とみんなに言ってから、「最初はグー!ジャンケンポン!」とジャンケンをしました。
すると、それまでは、なかなかタイミングが合わなかったのが、「最初はグー!」というかけ声を加えて、かけ声を「二段階」にすることで、タイミングがとりやすくなって、うまくじゃんけんができたのだといいます。
ちなみに、実際のじゃんけんでは、「グー」ではなくて「パー」を出すのが、一番勝つ確率が高いといわれています。