数学などでは、未知数(求める数)に「x」を使います。
この「未知数」を表す「x」は、アルファベットの24番目の文字です。
アルファベットは、全部で26文字ありますが、どうして、24番目の「x」が、未知数として使われるのでしょう。
未知数「x」の元祖は「デカルト」
「我思う故に我あり」で有名な、フランスの哲学者・数学者のデカルトは、未知数として「x、y、z」、既知数として「a、b、c」を使って、方程式を書いていたといいます。
デカルトは、アルファベットの最後の文字「z」を未知数にして、次の未知数に「y」、さらにその次に「x」という順番で、使っていったと考えられています。
このデカルトが、原稿を印刷所に持って行ったとき、印刷所には「z」「y」の活字は少なく、「x」の活字がたくさんあったので、それ以後は、未知数に「x」を多く使うようになったといわれています。
オックスフォード「英英辞典」や、フロリアン・カジョリの名著「初等数学史」でも、デカルトが「x」を使い始めた元祖になっているといわれます。
デカルトが、未知数に「x」を使ってから約400年たった現在でも、「x」は、未知数として使われ続けています。
ドイツの実験物理学者・レントゲンは、真空放電の研究中に、木などを透過することができる「放射線(X線)」を発見します。
この「X線」は、「未知の線」だったというわけです。