道を歩いていると、「お地蔵さん」を見かけることがありますが、お地蔵さんは「赤いよだれかけ」をしていることが多いです。
世間では「お地蔵さん」と呼ばれていますが、「お地蔵さん」の正式な呼び名は「地蔵菩薩」といいます。
地蔵菩薩
仏教では、お釈迦さまが亡くなって、次の弥勒菩薩が仏になるまでに56億7000万年かかるといわれていますが、「地蔵菩薩」は、この「無仏」の期間、お釈迦さまに代わって人びとを救うとされています。
地蔵菩薩の多くは「僧侶の姿」をしていて、右手には「杖(錫杖)」、左手には「宝珠」を持っています。
地蔵菩薩の「地蔵」は、サンスクリット語では「クシティ・ガルバ」といいますが、クシティには「大地」、ガルバには「母胎」という意味があります。
「地蔵」は、もともとは、「インドの大地の神」の一種だったといわれますが、それが「仏教の菩薩」になったといわれています。
姿を変える地蔵菩薩
地蔵菩薩は、状況によって、いろいろと姿を変えるともいわれています。
優しい顔立ちの「お地蔵さん」は、
妊婦の安産を守る「子安地蔵」
身代わりになって、災難にあった人の苦しみを引き受けてくれる「身代わり地蔵」
村の入口で外からやって来る悪霊を防いでくれる「道祖神」
などとしても、知られています。
人々は、お地蔵さんに、「長寿息災」「子育て」「五穀豊穣」など、いろいろな「お願い」をするようになりました。
赤いよだれかけ
道路の脇などに立っている「お地蔵さん」が、「赤いよだれかけ」をしているのをよく見かけます。
地蔵菩薩は、中世以来、最も親しまれてきたともいえる仏様で、「子供を守る神様」として信仰されることも多く、子供が元気に育つようにと、「よだれかけ」を奉納するようになったといわれています。
「赤色のよだれかけ」が多いのは、
「赤ちゃんの赤」という説
「赤色は魔除けの色、清い色」という説
などがあります。
お地蔵さんに「赤いよだれかけ」をかけたり、「赤い帽子」や「赤い頭巾」をかぶせたりするのは、赤ちゃんが、丈夫に育つようにという、親の「願い」と「祈り」が込められているといわれています。