リレーの最終走者を「アンカー」と呼ぶ理由は?

「リレーの最終走者」のことを「アンカー」と呼びます。

陸上競技のリレーだけではなく、水泳競技のリレーでも、最終泳者は「アンカー」と呼ばれます。

「アンカー」とは「船の錨(いかり)」という意味ですが、どうしてリレーの最終走者・泳者が「いかり」なのでしょう。

特に、水泳のアンカーとなると、重くて泳げないような気もしますが‥。

「綱引き」の最後尾の選手

「アンカー」という言葉が最初に使われた競技は、「リレー」ではなく「綱引き」だったといわれています。

「綱引き」は、昔は、オリンピックにも採用されるほどの「メジャーな競技」だったといいます。

「綱引き」では、「一番後ろ」「体重の重い選手」を配置するのが一般的とされています。

これは、前に引きずられないように、一番後ろで「おもり(⇒いかり)」の役目をするためといわれます。

このことから、綱引きの「一番後ろの選手」は「アンカーマン」と呼ばれるようになります。

綱引きでは、「いかり」の役目を果たす「アンカーマン」は、チームの最後尾にいて、勝敗を決める重要な役割を担うというわけです。

これが「リレー競技」でも使われるようになり、「一番最後に走る(泳ぐ)選手」のことを「アンカー」と呼ぶようになったといわれています。

速い人が「アンカー」?

リレー競技では、アンカーには「速い人」を配置することが定番とされています。

競技の終盤に、他のアンカーに競り負けないために、「速い人」が配置されることが多いというわけです。

しかし、必ずしも「一番速い人」が「アンカー」に配置されるというわけではなく、「経験」「メンタル面」などを考えて、それ以外の人が、アンカーに配置されることもあります。

一番速い人に近い走りをする人で、他の選手に競り負けない強いメンタルを持った人がアンカーに配置される、ということもよくあることだといわれます。

リレー競技の「アンカー」には、「速さ」のほかにも、「経験」や「メンタル面の強さ」も必要とされるということのようです。