オリンピックの開催が「4年に一度」になった理由は?

世界のスポーツの祭典「オリンピック」は「4年に一度」開催されます。

これは、オリンピアで行われていた「古代オリンピック」の開催に倣っているといわれています。

現在のオリンピックは、夏に開催される「夏季オリンピック」と、冬に開催される「冬季オリンピック」の2種類があり、「夏の大会」と「冬の大会」とが、2年ごとに交互に開催されていますが、1992年までは、同じ年に開催されていたとされています。

「8年ごと」から「4年ごと」の開催へ

「古代オリンピック」が始まったのは、紀元前9世紀頃とされています。

当時のギリシャでは、「太陽暦」と「太陰暦」を併用していたとされますが、太陽暦の「8年」が、太陰暦では「8年3ヵ月」になっていたといいます。

この「3ヵ月」のズレを調整するため、「8年に一度」、3ヵ月長い「うるう年」を設けて、この「3ヵ月の間」に「古代オリンピック」を開催していたといわれています。

「古代オリンピック」は、ゼウス神に捧げるという「宗教儀式」だったとされていて、「8年」というのは、古代ギリシャでは重要な単位だったと考えられています。

しかし、「8年ごと」の3ヵ月の調整では、ズレが大きすぎるということで、「最初の4年目で1ヵ月」「次の4年目で2ヵ月」を調整するようになり、これに合わせて、「古代オリンピック」も「4年に一度」開催されるようになったといわれています。

現在、はっきりと開催が確認できている最も古いオリンピックは、「紀元前776年」に開催されたとされていますが、これ以降は「4年に一度」開催されているといわれます。

古代オリンピック復活の際に、4年に一度になったという説

古代オリンピックの開催は、「長らく中断」されていた時期があったとされますが、都市国家エリスの「イヒテス王」が、紀元前776年にオリンピックの開催を復活させたとされています。

オリンピックの復活に際して、イヒテス王は、開催時期を「太陽暦の8年の半分の4年に一度、太陰暦では49ヵ月に一度と50カ月に一度を繰り返す」ということにしますが、その時、かつての「開催方法」などは忘れられていて「考慮されなかった」ともいわれています。

現在の近代オリンピックの「夏季大会」は、第1回開催のアテネ大会以降「うるう年」に開催されていますが、これは、古代オリンピックに倣って「うるう年」に開催したというわけではなく、「偶然」うるう年に開催することになったとされています。

開催間隔の「4年」は「古代オリンピック」に倣っていますが、「開催する年(うるう年)」については、古代オリンピックとは直接の関係はないということのようです。