「野球」の「起源」については、諸説がありますが、「野球」が「競技」として発達していったのは「アメリカ」とされています。
英語で「baseball」と呼ばれる競技の日本語訳が「野球」です。
「野球」と「baseball」とは、同じ競技のことを指しますが、日本とアメリカとでは、若干、ゲーム性に違いを感じるという人もいて、「日本」は「野球」、「アメリカ」は「baseball」といって、区別して捉える人もいるようです。
しかし、スポーツ競技としては、「野球」=「baseball」です。
この「野球」、以前は、現在の野球とはかなり様子が違っていたようです。
「規定得点制」→「回数制」
現在の野球は「9回」までという「回数制」ですが、かつては「規定得点制」で行われていたといいます。
「規定得点制」とは、「テニス」や「バレーボール」のように、「決められた得点を先に取った方が勝ち」というルールです。
当時の野球は「21点の規定得点制」で、「四球(フォアボール)」や「三振」というルールがなかったため、「1日かがりのスポーツ」だったといわれています。
あまりにも時間がかかりすぎるので、1857年に「ヘンリー・チャドウィ」というスポーツ記者が、「9イニング制にしてはどうか」と提案したといわれます。
その提案が取り入れられて、現在のように「9回の回数制」になったといわれますが、どうして、キリの良い「10回」ではなく、中途半端な回数の「9回」だったのかという疑問を感じてしまいます。
「12進法」の影響
「9回の回数制」になったのには、当時のアメリカの「12進法」が強く影響しているといわれています。
「1ダース」は「12個」、「1フィート」は「12インチ」などというように、アメリカでは「12進法」がよく使われています。
その影響で、「12」の「3/4」の「9回」が選ばれたといわれています。
どうして「12回ではなく9回」になったのかは不明のようですが、よく考えてみると、
・1イニングは「3アウト」まで
・「ストライク3つ」でアウト
・守備の人数は「9人」
というように、「12進法」に関係しているためか、「3の倍数」が多いのも確かです。
ちなみに、「四球」も、最初の頃は「9球ボール」で出塁していましたが、その後、7球→6球→5球と減っていき、1889年に、現在の「4球」になったといわれています。