「うれしいひな祭り」の歌詞の意味/ 込められた「思い」と「勘違い」

ひな祭り
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3月3日は「ひな祭り」。
 
ひな人形を飾ってちらし寿司を食べながら、口ずさむひな祭りの歌といえば「あかりをつけましょ ぼんぼりに~」で始まる「うれしいひな祭り(ひな祭りの歌)」
 
この、ひな祭りに歌う「うれしいひな祭り」は、明るいタイトルの割には、何となく悲しい感じがする短調のメロディーです。
 
楽しさを表現したはずの「うれしいひな祭り」が、どうして短調の曲になっているのでしょう。

「うれしいひな祭り」の歌詞の意味

「うれしいひな祭り」は、サトウハチロー氏作詞、河村光陽氏作曲で、1935年に作られた曲です。
 
ひな祭りの歌なので、めでたい歌詞だと思われるかもしれませんが、実は悲しい歌詞で、曲調も悲しい感じがする短調になっています。
 
「うれしいひな祭り」の歌詞には、様々な思いが込められていました。

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母と離れた我が子への思い

「うれしいひな祭り」が作られた当時、作詞をしたサトウハチロー氏は、離婚したばかりで、子供たちはお母さんと離れてサトウ氏と暮らしていたといいます。
 
寂しい思いをしている子供たちに少しでも楽しい思いをさせてあげたいと、ひな人形を買ってあげ、その時の様子を歌にしたのが「うれしいひな祭り」だといわれています。

嫁ぐ直前に亡くなった姉への思い

歌詞の中にある「姉さま」とは、サトウハチロー氏の実のお姉さんのこととされています。
 
サトウハチロー氏は、幼少の頃のケガが原因で外で遊ぶことができませんでしたが、お姉さんは良き遊び相手でありピアノの師でもあったといいます。
 
このお姉さんが、結婚が決まった直後に、結核のため18歳で亡くなってしまいます。
 
サトウハチロー氏は、せめて歌の中で姉を嫁がせてあげたいという鎮魂の思いも込めて、この歌を作ったといわれています。
 
2番の歌詞の「お嫁にいらした姉さまによく似た官女の白い顔」という歌詞にその思いが表れています。
 
「うれしいひな祭り」は、ひな祭りの歌として定着していますが、この歌には、ひな祭りを楽しく祝うということとは別の意味も込められていたというわけです。

「うれしいひな祭り」の歌詞の2つの勘違い

お内裏様とおひな様

一つ目の勘違いは、「お内裏様(おだいりさま)とおひな様」の部分です。
 
「お内裏様とおひな様」と聞くと、

・お内裏様 → 男びな
・おひな様 → 女びな

を想像するのが一般的です。
 
しかし、実際のところは、「お内裏様」とは、男びなと女びなを合わせた「男女一組の二体のひな人形」を指し、「おひな様」とは、「ひな人形全体」のことを指すとされています。
 
というわけなので、「お内裏様とおひな様 二人並んですまし顔」という歌詞は、「お内裏様→男びな」「おひな様→女びな」と勘違いしていたために書かれた歌詞といわれています。
 
正しく表現するとすれば「お内裏様が 二人並んですまし顔」になるというわけです。

赤い顔の右大臣

二つ目の勘違いは、3番の「赤い顔の右大臣」の部分です。
 
おひな様をよく見ると、「ひげがある左大臣」のほうが「赤い顔」をしています。
 
向かって右が左大臣向かって左が右大臣なので、赤い顔にひげがあるのが「左大臣」、若くて色白なのが「右大臣」です。
 
この二体は、随身と呼ばれる護衛で、年長の高位の者が左側(向かって右側)に座るという決まりに従って並んでいます。
 
「赤い顔」をしているのは、右大臣ではなくて「左大臣」というわけです。

「日本の歌百選」に選ばれている「うれしいひな祭り」

ひな祭りの歌として定番の「うれしいひな祭り」は、文化庁が選定する「日本の歌百選」にも選ばれています。
 
そんな名曲の「うれしいひな祭り」ですが、作詞をしたサトウハチロー氏は、歌詞の背景にある悲しい記憶と、後に分かった歌詞の誤用のため、晩年までこの歌が好きではなかったといわれています。
 
歌詞の誤用については、児童教育者等から誤用の訂正を求めるような動きもあったようですが、歌が定着していたこともあってか、訂正はされずに現在に至っています。

「うれしいひな祭り」はメキシコでも有名

「うれしいひな祭り」は日本の童謡ですが、メキシコでも有名だといいます。
 
アメリカ・メキシコ圏の人に「うれしいひな祭り」のメロディーを聞くと、「昔ヒットしたメキシコの歌」という人が多いのだそうです
 
これは、1960年代にメキシコの音楽グループ、ロス・パンチョス(Los Panchos)が 「Pobres Huerfanitos(悲しきみなしご)」というタイトルでカバーしていたためです。
 
カバーの際に、日本の童謡と表記されないまま曲がヒットしたために、この曲が「メキシコの曲」と思っている人も多いというわけです。
 
ひな祭りの時期になると、日本各地で流れる「うれしいひな祭り」のメロディーを聞いて、どうしてこの曲が日本で流れるのか不思議に思っている外国の人もいるかもしれません。

まとめ

ひな祭りの時期には、日本全国で歌われる名曲の「うれしいひな祭り」。
 
その歌詞には、作詞家の鎮魂の「思い」が込められているとともに、ちょっとした「勘違い」もあったようです。
 
日本では知らない人がいないほどの大ヒット曲「うれしいひな祭り」ですが、作詞家本人のサトウハチロー氏に好まれていなかったというのは、意外でした。
 
「うれしいひな祭り」の歌詞の意味や、この曲がつくられた背景を知った上で、この曲を聞けば、また違った楽しみ方ができるかもしれません。

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