いつも一緒にいて仲の良い夫婦のことを「おしどり夫婦」といいます。
この「おしどり夫婦」という言葉の由来になっているのが、鳥の「オシドリ」です。
仲の良い夫婦のように、オシドリの「オス」と「メス」が寄り添っている姿がよく見られことから、「おしどり夫婦」という言葉が生まれたといわれています。
「オシドリ」≠「おしどり夫婦」
オシドリのオスとメスが寄り添っているのは、他のオスが、ペアになっているメスにちょっかいを出さないように、「オスがメスをガードしている」からだといわれます。
オシドリのオスは、お目当てのメスを見つけると、メスの周りで自分のことを猛アピールするといわれています。
運よくペアになることができると、そのオスは、他のオスに、ペアのメスを奪われないように、常にそばにいて、メスを「ガード」するようになるといわれます。
オシドリの「オス」と「メス」の比率は、「オス:メス ≒ 2:1」といわれていて、メスの方が、かなり少ないので、ペアになったメスを、しっかりとガードしておかないと、オスは、自分の種を残すことができないというわけです。
オシドリのペアは、「仲良しだから寄り添っている」というわけではありませんでした。
オシドリのオスは、子育てをしないので、メスの産卵が終わって、一定の期間が過ぎると、オスは、子育てをメスに任せて、どこかへ行ってしまうのだといいます。
ずっと、同じメスと暮らすというわけではないのです。
メスから離れていったオスは、別のメスに出会うと、また、その場で求愛の行動をとることもあるといわれます。
オシドリに限らず、カモの仲間の多くは、そういう行動をとるといわれています。
実際のところ、オシドリは、仲の良い「おしどり夫婦」ではなかったというわけです。
ペンギンは浮気をしない
多くの鳥は、基本的には「一夫一妻」といわれますが、時には、浮気をすることもあります。
特に、動物園などでは、数が限られているので、毎年違う相手とペアになることも多いといわれます。
しかし、同じ鳥でも、「ペンギン」は「ほぼ完全な一夫一妻」で、浮気をすることは、ほとんどないといわれています。
ということなら、「仲のいい夫婦」は、「おしどり夫婦」ではなく「ペンギン夫婦」と言ったほうがいいのかもしれません。