東京の「日本橋」は「にほんばし」、大阪の「日本橋」は「にっぽんばし」と読みます。
「日本大学」は「にほんだいがく」、「日本体育大学」は「にっぽんたいいくだいがく」、「日本生命」は「にほんせいめい」、「日本電気」は「にっぽんでんき」です。
「日本」の読み方は、「ニホン」「ニッポン」のどちらが正しいのでしょう。
広辞苑は「ニホン」、NHKは「ニッポン」を優先
「広辞苑」によると、「日本」の読み方については、「よみ方については法的な根拠はないが、本辞典においては、特にニッポンとよみならわしている場合以外はニホンとよませることにした。」となっていて、「ニホン」を優先しているといえます。
「NHK」では、昭和9年に放送用語並発音改善調査委員会が、「正式な国号として使う場合は「ニッポン」。そのほかの場合には「ニホン」と言ってもよい」という方針をだしていて、こちらは「ニッポン」を優先しているといえます。
国レベルでは「ニッポン」?
国レベルでは、1934年(昭和9年)に、文部省臨時国語調査会が、呼称統一案として「ニッポン」とすると決議しましたが、正式に採択されずに、今日に至っているといわれます。
戦前の旧憲法では、「ダイニッポンテイコク」と読み方も指定されていましたが、現在では、法律などに規定があるわけではないようです。
「日本」は「ヒノモト」と読まれていた
歴史をさかのぼってみると、大化の改新の頃には「日本」という表記がみられますが、当時は「ヒノモト」と読まれていたといいます。
これが「ニッポン」と読まれるようになったのは、「奈良時代以降」とされますが、これは、呉音読みの「ニチホン」が音変化したものだといわれています。
「ニホン」と読まれるようになったのは、さらに後のこととされますが、どうして「ニホン」と読まれるようになったのか、はっきりとしたことは、分かっていないようです。
通説としては、平安時代にできた「ひらがな」には促音や半濁音がなかったので、「ニッポン」の「ッ」が落ちて、半濁音の「ポ」が「ホ」となり、「ニホン」と読まれるようになったといわれています。
まとめ
結論として、「日本」の読み方は、「ニッポン」「ニホン」のどちらでもよい、ということになりそうです。
ちなみに、世界中で自国の読み方が明確でない国は「日本だけ」のようです。