「三叉路」のことを「ていじろ」と言う年配の方が多くいます。
「T字路」の「T」を「てぃー」ではなく「てい」と発音して、「ていじろ」と言っているのかと思っていたら、そうではありませんでした。
現在では「三叉路」のことを「T字路」とも言いますが、もともとは「丁字路」という呼び方をしていたといわれます。
伝統的には「丁字路」
漢字の「丁」のような形をしたのものは、伝統的に「丁字(ていじ)」と呼ばれていました。
16世紀はじめの頃の文献には「丁字」という表現が見られ、明治時代の小説などでは「丁字路」と言う表現が使われています。
アルファベットが普及するようになると、「Uターン」「S字カーブ」「Tシャツ」「O脚」など、似た形のものに「アルファベット」を使った名称をつけるようになっていきましたが、この中に「T字路」も含まれていたというわけです。
「丁字路」という言葉は以前からありましたが、「丁」と「T」が似ている上に、発音も「てい」と「てぃー」とよく似ていたので、次第に「丁字路」が「T字路」に置き換えられていったといわれています。
「T字路」ともいう
現在では、「T字路」が正しいと思っている人も増えていますが、伝統的な言い方は「丁字路」です。
道路交通法でも「丁字路」という表現が使われています。
多くの辞書には「ていじろ」という見出しはありますが、「てぃーじろ」という見出しがある辞書はそんなに多くはありません。
「丁字路」の意味の中で、「T字路ともいう」となっていることがほとんどです。
「丁字路」「T字路」のどちらを使っても間違いというわけではないようですが、どちらかというと「丁字路」に軍配が上がるといえそうです。