「一富士 二鷹 三茄子」には続きがあった!

「一富士 二鷹 三茄子(いちふじ にたか さんなすび)」は、「初夢に見ると縁起が良いもの」を、「一番から三番」まで順番に並べて言ったものですが、実は「四番目以降」の縁起が良いものも挙げられていました。

「一富士 二鷹 三茄子」縁起がいい理由

「富士」「鷹」「茄子」は「初夢で縁起が良いもの」とされていて、その順番は、一番が「富士」二番が「鷹」三番が「茄子」ということとされています。

どうして、「富士」「鷹」「茄子」が、縁起が良いといわれるようになったのか、その由来には、諸説があります。

・説1:徳川家康の好きだったものの順番という説(富士山、鷹狩り、初物の茄子)
・説2:徳川家康のお膝元・駿河の国の「高い物」の順番という説(富士山、愛鷹山、初物の茄子の値段)
・説3:「富士山→日本一の山」「鷹→強くて賢い鳥」「茄子→成す」に通じるからとする説
・説4:「富士→無事」「鷹→高い」「茄子→成す」という語呂合わせという説

これらの説の中でも、徳川家康にちなんだ「説1」と「説2」が有力視されています。

「富士」「鷹」「茄子」は、初夢に限らず、「夢で見ると縁起が良いもの」とされますが、新年最初にみる「初夢」に出てくれば「特に縁起が良い」ということで、昔から言い伝えられてきたといわれています。

「四扇 五煙草 六座頭」

実は、この縁起が良いとされる「一富士 二鷹 三茄子」には、「四番~六番まで」の続きがあって、江戸時代には、誰もが「一番~六番まで」を覚えていたといわれています。

後には、「四扇 五煙草 六座頭(しせん ごたばこ ろくざとう)」と続きます。

四番の「扇」は、
・祭礼などの小道具として使われるため縁起が良いからという説
・末広がりの形が子孫繁栄や商売繁盛を表していて縁起が良いという説

五番の「煙草」は、
・祭りや祝いごとなどには欠かせないものだから縁起が良いという説
・煙が上へ上へと昇ってくのが運気上昇を連想さて縁起が良いという説

六番の「座頭」は、
・弾き語りをする法師のことで、扇子や煙草とともに縁起の良いときに行う宴には欠かせないからという説
・座頭は毛がない(→怪我無い)から縁起が良いという説

などの説があります。

「一富士 二鷹 三茄子」と「四扇 五煙草 六座頭」の対応

「一富士 二鷹 三茄子」と「四扇 五煙草 六座頭」は、それぞれが、対応した意味合いがあるともいわれています。

・「富士」と「扇」:「末広がり」→「子孫繁栄・商売繁盛」
・「鷹」と「煙草」:「高く上昇する」→「運気上昇」
・「茄子」と「座頭」:「毛がない(怪我がない)」→「家内安全」

ちなみに、「初夢」は、元々は、大晦日から元旦にかけて見る夢のことだったといわれますが、
江戸の後期になると、「元日の夜に、この絵を枕の下に敷いて眠ると縁起の良い夢を見る」といって、「宝船に七福神の乗った絵」を売り歩く者が現れ、この絵が人気になったことから、初夢は、元日の夜に見る夢のことをいうようになったともいわれています。