学校の教室に必ずあるのが「黒板」。
授業で、先生が大事なところを板書してくれますが、この黒板をよく見てみると、色は「黒」ではなく「緑」です。
どうして、「緑色の板」を「黒板」と呼ぶのでしょう。
当初の黒板の色は「黒」
現在の黒板の色は「緑色」ですが、戦前までの黒板の色は、文字どおり、本当に「黒色」だったといわれています。
黒板が教室に登場したのは、1872年(明治5年)とされています。
東京大学の前身「大学南校」に招かれた、アメリカ人のスコット博士が、日本に最初に持ち込んだとされます。
その持ち込まれた「板」の名称は「ブラックボード」。
書いた文字が簡単に消せる、この「ブラックボード」は、授業で使うのに「ちょうど良かった」ので、日本でも作られることになりました。
「ブラックボード」は、墨汁を塗って作られましたが、その色は、まさに「真っ黒」でした。
もとの名称が「ブラックボード」だったので、そのまま日本語に訳して「黒板」と呼ばれるようになったといわれています。
戦後「緑色」に
黒板が現在のように「緑色」になったのは、戦後のことです。
黒板に適した合成塗料が開発され、1952年には「JIS規格」が制定されます。
「JIS規格」では、黒板の「材料」のほか、黒板の「色」などについても規定されましたが、その規定された「色」が「緑色」だったといわれます。
これ以来、黒板の色は「緑色」になりましたが、名称は、以前のまま「黒板」が使われ続け、現在に至っているというわけです。
最近の学校では、チョークを使わずに「マーカー」を使って板書する「ホワイトボード」もよく見かけるようになりました。
この「ホワイトボード」は、その板の色から「白板」とも呼ばれています。