天気予報では、降水確率の際に「降水量」という言葉がよく使われますが、「降雨量」という言葉を聞くこともあります。
どちらも同じことをいっているような気もしますが、「降雨量」と「降水量」とで違いはあるのでしょうか。
「降雨量」と「降水量」
「降雨量」は、文字どおり「降った雨の量」のことです。
雨は「雲から落ちてくる水滴」ともいわれますが、「水の状態で降ってきた水分の量」が「降雨量」ということになります。
しかし、雲から落ちてくる水分は「雨」だけとは限りません。
氷の結晶として落ちてくれば「雪」、氷粒として落ちてくれば「霰(あられ)」や「雹(ひょう)」、雨と雪が混ざった状態で落ちてくれば「霙(みぞれ)」ということになります。
「雨」に「雪」「あられ」「ひょう」「みぞれ」など、水に換算できる水分量を加えた「降ったすべての水分の量」が「降水量」となります。
天気予報では、一般的に「降水量」が使われますが、基本的には、雪などが降らなければ、「降雨量」と「降水量」は同じになります。
・降水量:雨のほか、雪、あられ、ひょう、みぞれなど、その場に降ったすべての水分の量
「降雨量」は正式な気象用語ではなく、雨だけの量は「雨量」とされていますが、一般的に「降雨量」というと「雨量」のことを指しているといえます。
「雨量」「降水量」ともに、降ってきた水分量を「mm(ミリメートル)」で表すのが一般的です。
「1時間に5mmの降水量」といえば、1時間に水槽に5mmの水がたまったというイメージになります。
「降水量」と「雨の降り方」
「降水量」をmmで表しても、もう一つピンとこないかもしれませんが、「1時間の降水量」を「雨の降り方」で表現すると、概ね次のような感じです。
・10mm以上20mm未満→やや強い雨(ザーザーと降る雨)
・20mm以上30mm未満→強い雨(どしゃ降りの雨)
・30mm以上50mm未満→激しい雨(バケツをひっくり返したように降る雨)
・50mm以上80mm未満→非常に激しい雨(滝のように降る雨)
・80mm以上→猛烈な雨(息苦しく圧迫感がある雨)
「強い雨」や「激しい雨」以上の雨が降ると予想される時には、「大雨注意報」や「大雨警報」が発表されますが、注意報や警報の基準は地域によって異なっています。
降水確率
天気予報では、「降水確率」の予報もすることが多いですが、この「降水確率」は「ある一定時間内に1mm以上の雨か雪の降る確率」とされています。
「降水確率10%」といえば、「10回の観測うちで1mm以上の降水が観測されるのは1回の確率」という意味合いで、「降水量の多寡(多い少ない)」とは関係ありません。
逆に言えば、「降水確率が高い」からといって、「大雨になる確率が高い」というわけではないということになります。