「エチケット」も「マナー」も、日本語にすると「礼儀」とか「作法」ということになりますが、実際に使う場面では、少し違ったニュアンスで使われます。
「エチケット」と「マナー」は、どう違うのでしょう。
エチケット
「エチケット」は、フランス語で「礼儀」「行儀作法」などの意味合いがあります。
もともと、「エチケット」には「荷札」などの意味があり、宮廷への招待者の行動を指示した「通用札」という意味もあったといわれます。
そこから、「宮廷での儀礼」を意味するようになり、転じて「一般生活の作法」という意味で使われるようになったといわれています。
日本で「エチケット」というと、どちらかといえば、人と接する際の「態度」や「言動」に対して使われることが多く、周りに対する「自然な思いやり」や「気配り」というような、比較的個人的な対人関係での「行儀作法」という意味合いが強いとされています。
マナー
一方の「マナー」は、英語で「方法」「流儀」「態度」「礼儀作法」「習慣」などの意味があります。
「マナー」は、人に接する時だけに限らない「全般的な行動」に対して使われる言葉で、より広い集団生活の中で、共通して守られるべきルールや決めごとに沿った「態度」や「言動」といったニュアンスがあって、個人に対してというよりは、世間一般に対する「礼儀作法」という意味合いが強いとされています。
エチケットとマナー
「エチケット」も「マナー」も、語源的には「形式に従った礼儀作法」という意味の言葉で、どちらも似たような場面で使われますが、
「エチケット」は対人関係での「行儀作法」、
「マナー」は世間一般に対する「礼儀作法」
という意味合いが強いとされます。
「エチケット」と「マナー」を、強いて言い分けるとすれば、
「口臭を消す」「咳が出るときにマスクをする」のは「エチケット」
「電車内で電話をしない」「交通道徳を守る」のは「マナー」
といえるかもしれません。
「エチケット」や「マナー」は、それを守らなくても罰則が与えられるようなことはありませんが、周りの人は不快に感じていることも多いです。
それぞれの場面にふさわしい「エチケット」や「マナー」を守ることで、お互いに気持ち良く行動できるようにしたいですね。