「花粉症」の人は、毎年花粉が飛ぶ季節になると憂鬱な気分になりますが、初めて症状が出た人は、最初は花粉症だとは気付かないことも少なくないようです。
「花粉症の症状」は「風邪の症状」とよく似ているので、実際は「花粉症の症状」だったとしても、それを「風邪の症状」だと思い込んでしまって、後になってから「花粉症だった」と気付くことも多いといわれます。
よく似ていて紛らわしい「花粉症」と「風邪」の症状ですが、それらの違いを見分ける初期症状のチェックポイントがあります。
「花粉症」と「風邪」のよく似た初期症状
「花粉症」と「風邪」では、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「喉の痛み」「頭痛」「発熱」など、よく似た症状が現れます。
よく似た症状の中でも、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」は「花粉症の三徴」とも呼ばれていて、「花粉症の典型的な症状」といわれます。
「花粉症」と「風邪」に共通する症状が多いことも、見分けることが難しい理由の一つになっていますが、「花粉症」と「風邪」とでは、「治療方法」も違えば「薬」も違ってきます。
まずは、自分の今の症状が、「花粉症」なのか「風邪」なのかを見分けることが肝心です。
「花粉症」か「風邪」かを見分けるポイント
「花粉症の症状」と「風邪の症状」が似ているのは確かですが、それぞれの症状が全く同じというわけでもありません。
よく似た症状の中にも、ちょっとした「違い」があるといわれます。
くしゃみ
「風邪」を引いたときにも「くしゃみ」が出ますが、「風邪」の際の「くしゃみ」は多くても連続2~3回程度。
「風邪」の場合は、風邪ウィルスに対する抵抗のためのくしゃみなので、通常は、そんなに連続してくしゃみが出ることはないといわれます。
これ対して、「花粉症」のくしゃみは、何回も連続して出ることも珍しくなく、多い時には連続で10回くらい出ることもあるといわれています。
花粉が多く飛んでいる時期に、連続したくしゃみが続くような場合には、「花粉症」を疑ってみる必要がありそうです。
鼻水
「鼻水」も、「花粉症」と「風邪」とでは、異なった特徴があるとされます。
「花粉症」の鼻水は「無色透明でサラサラ」していて、ちょっと気を抜くと、「タラー」と垂れてしまうことも少なくありません。
これに対して、「風邪」の鼻水は「黄色がかって粘り気がある」ことが多いといわれます。
これは、「花粉症」の場合は、花粉に刺激されて免疫の過剰反応で鼻水が出ているだけなのに対して、「風邪」の場合は、ウィルスと戦った後の白血球などが含まれているために、色がついていたり粘度が高かったりするから、というのがその理由です。
鼻づまり
「鼻づまり」も、「花粉症」と「風邪」の双方にみられる症状ですが、「風邪」よりも「花粉症」の方が、重症になることが多いといわれます。
「花粉症」の人が一番苦労するのが、この「鼻づまり」だともいわれています。
「風邪」では、両方の鼻が同時に詰まることはほとんどありませんが、「花粉症」の場合は、両方の鼻が同時に詰まることも珍しいことではありません。
「花粉症」の鼻づまりでは、いくら鼻をかんでも、詰まりが解消しなかったり、一時的には鼻が通っても、また直ぐに詰まるということの繰り返しで、「風邪」の鼻づまりに比べると、より酷いケースが多いようです。
のどの痛み
「のどの痛み」も、「花粉症」と「風邪」の双方に見られる症状ですが、「風邪」の場合は、唾を飲み込んだときに痛みがあることが多いのに対して、「花粉症」の場合には、唾を飲み込んでも痛みがないのが特徴だといわれます。
「花粉症」では、「喉のかゆみ」を伴うこともあります。
目のかゆみ
「目のかゆみ」は、「風邪」の場合には、ほとんど現れることがない症状です。
「花粉症」では、目に付着した花粉を外に出そうとして、体の免疫機能が過剰に働いてアレルギー反応を起こし、目に強いかゆみが生じたり、涙が出やすくなったりするといわれています。
目のかゆみが酷い場合には、目をこすり過ぎて、結膜や角膜を傷つけてしまい、症状がさらに悪化してしまうこともあります。
発熱
「発熱」に関しては、「風邪」では、高熱が出ることもありますが、「花粉症」の場合は、発熱することはほとんどないといわれています。
「花粉症」の際の発熱は、発熱したとしても、「微熱程度」に止まることがほとんどです。
頭痛
「頭痛」は、「風邪」ではよく見られる症状ですが、「花粉症」で頭痛がするということは、そんなに多くないといわれます。
「花粉症」の頭痛は、鼻がつまって脳へ供給される酸素の量が不足するために起こるといわれています。
「花粉症」での頭痛を解消するには、鼻の通りを良くすることが、一番の対策となりそうです。
症状が継続する期間
花粉症:花粉が飛んでいる期間。数ヶ月続くこともある。
風邪:長くて1週間程度
天候との関係
花粉症:晴れた日や風が強い日に症状がひどくなる。
風邪:天候とは関係がない。
原因
花粉症:スギ、ヒノキなどの植物の花粉
風邪:ウィルス
受診は「耳鼻科」か「内科」か
「花粉症の症状」が出たとき、受診するのは「耳鼻咽喉科」または「内科」ということになります。
「耳鼻咽喉科」は、文字通り耳・鼻・咽喉のスペシャリストで、「内科」は、アレルギー性鼻炎だけではなく、気管支ぜんそくなどアレルギー全般に関する治療を行っています。
ただし、「ネブライザー」と呼ばれる吸入器や「鼻の処置」などは、内科では対応していない場合もあります。
花粉症の「つらい症状」が出ている場合には、専門的な設備が整っている「耳鼻咽喉科」を受診する方がいいかもしれません。
「内科」を受診する場合には、アレルギー科などがあって、専門的に診てもらえるかどうかを確認しておくと安心です。
まとめ
「花粉症」と「風邪」は、よく似た症状が現れますが、「くしゃみ」や「鼻水」など一つ一つの症状をよくみてみると、特徴が全く同じというわけではありません。
それぞれの症状の違いをよく理解しておいて、症状が出てきた時には、適切な対処をして、症状が悪化するのを防ぐようにしたいです。