アスペルガーは発達の順番が違うけれど「大丈夫」【息子-4】

「発達障害」を英語に訳すと、「development disorder」(発達の順番が違う)となります。

「発達の順番が違う」という捉え方は、15歳まで太郎を育ててみて、なるほど、その通りだと納得できます。

「発達障害」=「発達の順番が違う」

アスペルガー症候群の太郎にとって重要だったのは、知的障害がなく、非常に学習能力が高いという点でした。

アスペルガー症候群を発達障害に分類するか、自閉症スペクトラムに分類するかは、意見が別れるそうですが、太郎と向き合う上で、分類上の争点はどうでも良いので、分類のことは専門家にお任せしておきます。

人が成長する過程を1から10で表すとして、「1→2→3→・・・→10」と順番通りに成長していくのを定型発達とするならば、「1→8→2→6→4→・・・」と順番がぐちゃぐちゃで成長していくタイプの子が発達障害と考えられます。

育てている過程で、1の次に8の内容ができたりすると、周囲は2~7も当然クリアしているだろうと思い込んで、喜んでしまったりします。

そういう子もいるかもしれませんが、少なくともアスペルガー症候群の太郎は違っていました。

1~10までが揃うまでは、抜かした部分が揃うかどうかが解らないので、とても不安になります。

突拍子も無い行動となって現れるので、周囲を戸惑わせます。

幼児期以降

幼児期、太郎と私はとても混乱していました。

幼稚園から小学校の時期が、アスペルガー症候群の太郎にとっての激動期となりました。

小学校の低学年までは、担任と私の強力なタッグによるサポートが、彼の発達を支えました。

高学年の時期は、太郎と私が最も密接につながり、一気に成長した時期でした。

太郎は、抜かした部分を、学習能力を発揮して身につけ、私は彼の学習を助けました。

中学時代、私の支援なしに、自らソーシャルスキルを学習できるようになってきていると感じます。

言語化された「情報」が得意

親のしつけや毎日の習慣、脳の発達による認識の広がりで、1~10まで成長していくはずのところを、アスペルガー症候群の太郎は、まさに言語情報からの「学習」で獲得してきたと、私は考えています。

どの部分という線引きは難しいのですが、彼が文字を獲得した時期に、グンと成長したと感じたことは、それを裏付けていると思います。

「うんちく」や「前情報」が、彼のかんしゃく予防に有効でした。

実際に体験するよりも、事前に学習しておくことによって安心し、その場での混乱も防ぐことができました。

彼の頭の中は、「単語カードに書かれた情報」が、大量にばらまかれているような状態なのだと思います。

関連性を見つけ、それをうまく利用できるようになるまでに、ずいぶん時間がかかりました。

特に、対人関係に関しては、「こういう時には、こう対応する。」というモデルを、目いっぱい蓄積して頑張って活用しているようです。

中学校で周囲と良い関係を作れるようになって、聞き手との関係を大事にするために、発信を自己制御できるようになっていきました。

「雑学は太郎にお任せ」、と言ってもらえていたようです。

頭の中の「単語カード」は、今でも無尽蔵に増え続けているようです。

新聞は毎日2紙を隅々まで読んでいますし、読書量にも驚かされます。

「自分が知っている」ことよりも、「聞いてくれる相手の気持ち」を優先できるようになったことに、成長を感じました。