「海の水は、しょっぱい」というのは、誰もが知っていることですが、「どうして、海の水はしょっぱいの?」と聞かれたら、きちんと答えることができるでしょうか。
「ナトリウム」と「酸性雨」
海の水の塩分濃度は、「約3.5%」といわれているので、「水1kg」に「塩分35g」が含まれているということになります。
どうして、海の水がしょっぱくなったのかは、地球の誕生にまで、さかのぼることになります。
地球が誕生したのは、今から46億年くらい前といわれます。
原始の「海の水」は、現在とは違って、塩酸が多く含まれた、酸性度が高い「すっぱい水」だったとされています。
海水に塩分が含まれるようになったのは、地球が誕生してから、7億年くらい経ってからのことだといわれています。
次第に、岩石などに含まれる「ナトリウム」が溶けだし、酸性雨と混ざって、現在のような海水になっていったとされています。
「塩素」を含んだ水に、「ナトリウム」が溶けて、「塩化ナトリウム(塩)」の水ができていったというのです。
その後も、雨は、陸地の岩石などに含まれているナトリウムを溶かして、海へ運び続けているので、海水の成分も、ほとんど変化しないで、現在も、海の水は「しょっぱい」まま、というわけです。
海水の塩分濃度
世界の海水の塩分濃度は、3.4~3.6%程度で、平均すると、約3.5%といわれています。
大西洋北部の海水は、全般に濃度が高く、インド洋では、やや濃度が低くなり、さらに、太平洋で低くなり、北極海や南極海で、最も低くなるといわれています。
氷が解けたり、河川が流れ込んだり、降水量が多かったりして、多くの淡水が、入り込む場所では、海水の塩分濃度は、低くなります。
逆に、雨や河川の流れ込みが、ほとんどなく、蒸発が盛んな海では、塩分濃度が高くなります。
海水の「塩分濃度が最も高い海」は、アフリカ東北部とアラビア半島とに挟まれた「紅海」で、その塩分濃度は、4%以上といわれます。
ちなみに、塩分濃度が最も高い湖(塩湖)は、アラビア半島の「死海」で、一般の海の塩分濃度は、3.5%程度のところ、死海の塩分濃度は、30%前後もあるとされています。
湖は、周りが陸で囲まれているので、塩分濃度が、高くなる傾向にありますが、30%の塩分濃度になると、大きな浮力が発生するので、浮き輪を付けなくても、人が浮いてしまします。
泳ぐのが苦手な人でも、簡単に泳げそうです。