マンホールの蓋が「丸い形」をしている理由は?

街で見かける「マンホールの蓋」は、ほとんどが「丸い形」をしています。

これは、単純にデザインだけの理由で、丸い形をしているわけではありません。

マンホールの蓋が「丸い形」になっているのには、どんな理由があるのでしょう。

落下防止

マンホールは、その名前のとおり、地下の修理や点検のため、「人(マン)が、出入りする穴(ホール)」です。

マンホールの蓋は、その上を通る車両などの重量に耐えられるよう、鋳鉄でできているものが多く、とても重くなっています。

中に人がいるときに、この重たい蓋が、落ちるようなことがあったらとても危険なので、落下することがないように、蓋が、丸い形になっているのだといわれています。

例えば、「四角い形」のマンホールだと、対角線よりも、一辺の長さの方が短いので、蓋が、落下してしまう可能性があります。

しかし、「丸い形」の蓋なら、どの方向から測っても、直径の長さに変わりはないので、蓋がずれたとしても、落下する心配がないというわけです。

また、丸い形だと、重くても転がして動かすことができる上、閉めるときには、蓋の向きを気にしなくてすむので、作業が、やりやすいという利点もあります。

ルーローの三角形

丸い形の他にも、落下しない蓋の形としては、正三角形の各頂点から60度分の円弧を描いた「ルーローの三角形」という形もあります。

ただ、これは、少し複雑な形になるので、この形のマンホールを実際に作るとなると、手間や経費がかかることになり、実用面から考えると、とても丸い形には、かなわないといわれています。

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マンホールの中には、「四角い形」のマンホールもありますが、この場合は、穴を小さくしたり、蝶番などで固定したりするなど、しっかりとした、落下防止の対策が施されているといわれます。

マンホールの蓋が「丸い形」になっているのは、蓋の落下防止という「安全性」のことが、十分に考えられた結果ということでした。