貯金箱に「豚の形」をしたものが多い理由は?

貯金箱には、いろいろな形のものがありますが、貯金箱といって、パッと頭に浮かぶのが「豚の貯金箱」。

しかし、豚は、「豚に真珠」と言われたりもして、価値が分からないことにも例えられる動物です。

そんな豚が、貯金箱によく使われているというのは、ちょっと、不思議な気もしますが‥。

豚の他にも、かわいい動物はたくさんいるのに、どうして、豚が貯金箱によく使われるのでしょう。

豚の貯金箱は、職人の勘違いから誕生

豚が、貯金箱に使われるようになったルーツは、「中世のヨーロッパ」にあるという説が有力で、初めて、動物をかたどった貯金箱が作られたときから、そのモチーフは、「豚」だったといわれています。

中世のイギリスでは、高価な金属類にかわって、「ピッグ(pygg)」と呼ばれる、オレンジ色の粘土で作られた陶器が、よく使われていて、「皿」や「カップ」などのほか、「ジャー(水差し)」などにも、この「ピッグ」が、使われていたといわれます。

「ジャー」は、台所などによく置かれていますが、当時の主婦は、このジャーに、小銭を貯めることも多く、「ピッグ・バンク」と呼んでいたといいます。

次第に、「ピッグ」は、材料としては、使われなくなっていきましたが、「ピッグ・バンク」という言葉だけは、残っていきます。

その後、イギリスの職人が、「ピッグの貯金箱を作ってほしい」という注文を受けますが、「ピッグ」が「粘土」だということを知らない職人が、「ピッグ=豚」と勘違いして、豚の貯金箱が出来上がったといいます。

その豚の形をした貯金箱が好評で、「貯金箱=豚」というイメージが、定着していったといわれています。

「豚は縁起がいい動物」だからという説も

この他にも、ヨーロッパでは、豚が縁起のよい生き物だとされていたから、という説もあるようです。

豚は、一度に10匹程度の子を産む動物なので、「数が増える」というゲンを担いで、貯金箱を豚の形にしているという説です。

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貯金箱に「豚の形」をしたものが、多くなった理由は、ともかくとして、「かわいい豚」を節約の味方にして、楽しく小銭を貯めていけるといいですね。