「物質」は、純粋な物質である「純物質」と、二種類以上の物質が混ざった「混合物」とに分けることができます。
そのうちの「純物質」は、さらに「単体」と「化合物」に分かれます。
「単体」は分かりやすいですが、「化合物」と「混合物」の違いとなると、はっきりとした違いは分かりにくいです。
「化合物」と「混合物」は、どんな違いがあるのでしょう。
化合物
「化合物」は、二つ以上の物質がしっかりと結びついたものです。
「物質」は「原子」でてきています。
「原子の結びつき」のことを「化学結合」、「二種類以上の原子が化学結合すること」を「化合」といいますが、「化合物」は、二種類以上の原子が化合して生成された物質といえます。
例えば、「水素(H)」と「酸素(O)」が化合すると、化合物の「水(H2O)」ができます。
化合物の「水」は、「水素」と「酸素」からなる物質ですが、「水」には「水素」や「酸素」の性質はなく、「水素」や「酸素」とは全く別の物質です。
一般的に、「化合前のそれぞれの物質」と「化合後の化合物」とは、全く別の性質の物質になります。
ちなみに、「塩(塩化ナトリウム=NaCl)」は、「塩素(Cl)」と「ナトリウム(Na)」の化合物です。
混合物
「混合物」は、二つ以上の物質が、ただ単に混ざり合っただけのものです。
それぞれの「物質の性質」が変化することはありません。
例えば、「空気」は、「窒素」「酸素」「二酸化炭素」などの「混合物」ですが、それぞれの物質の性質は何も変化していません。
「酸素」には「物を燃やす」働きがありますが、空気中には「酸素」が性質を変化させずに含まれているから、空気中で物を燃やすことができるというわけです。
「塩」と「砂糖」を混ぜると「混合物」になりますが、「しょっぱさ」と「甘さ」が混ざり合うだけで、「にがい味」の物質に変わるというようなことはありません。
まとめ
「化合物」が、二種類以上の物質が化学結合して別の物質になっているのに対して、
「混合物」は、二種類以上の物質がただ単に混ざり合っているだけです。
「化合物」は、元の物質の性質がなくなってしまいますが、
「混合物」は、ただ混ざり合っているだけなので、元の物質の性質はしっかりと残っています。
また、「化合物」が「H2O」などの化学式で書くことができるのに対して、
「混合物」は化学式で書くことができないので、
その物質を化学式で書くことができるかどうかで、「化合物」か「混合物」かを判断することもできます。