重量を表す単位の「トン」。
「1トン」は「1,000キログラム」です。
かなり重い重量の単位なので、日常生活では、そんなに頻繁に使われることはありません。
馴染みのあるところでは、「トラックの積載量」や「船の大きさ」などを表すのに、使われています。
この「トン」という「重量の単位」の発祥には、「酒樽」が、関係しているといわれています。
トン
15世紀頃、フランスからイギリスへ、ワインを運ぶのには、船が使われていました。
その際、「船に、何個の酒樽を積み込めるか」という「船の積載能力(容積)」を表すために使われたのが、「トン」という単位の発祥になっているといわれています。
「トン」という名称は、「樽」という意味の古英語の「tunne」、古フランス語の「tonne」が、語源になっているとされています。
当時の「酒樽1個の容積」は、「約40立方フィート」で、ワインを一杯に詰めた時の重さは、2,240ポンド(1,016kg)程度だったといわれています。
現在では、メートル条約に基づいて、1875年に設置された、国際度量衡委員会において採択された、「1,000kg=1トン」が採用されています。
ただ、トンの語源については、酒樽をたたいた時に「トン」という音がするので、「トン」となったという説もあるようです。
総トン数
一方で、「総トン数」という単位があります。
この「総トン数」は、重量の単位ではなく、「体積(容積)の単位」で、「船の大きさ」を表す単位になっています。
重量の「トン」は、酒樽1個を単位としていましたが、容積の「総トン数」は、100立方フィートで「1総トン」。
現在では、船の容積に一定の係数を乗じて得た数値を「1総トン」とし、これが、課税の基準にもなっています。
日本では「石(こく)」
日本でも、船の積載能力を表す単位に、「石(こく)」という単位がありました。
この「石」は、「米の体積」に基づいた単位でしたが、「トン」と同じような使い方がされていたことになります。
米の「石」と、樽の「トン」。
国が違っても、同じような単位の使われ方がされていたというのは、興味深いです。