車のエンジンの出力などは、「馬力」という単位で表されています。
1馬力は、馬1頭がする仕事量ということですが、具体的には、どれ位の力なのでしょう。
「馬力」は仕事率
「馬力」とは、「仕事率」のこととされます。
「馬力」という単位を、最初に採用したのは、蒸気機関を発明した「ジェームズ・ワット」だといわれています。
当時は、馬や牛で荷物を運ぶのが一般的だったので、実際に、馬に馬車を引かせて、「550ポンド(約250kg)の重さを1秒間に1フィート(約30cm)動かす仕事量」を「1馬力」としたといわれます。
これは、「英馬力(hp)」と呼ばれていて、「ポンド」や「フィート」を基準にしているので、違う単位を使っている国では、分かりづらいです。
フランスでは、「英馬力」を、「キログラム」と「メートル」を使って換算し、「1馬力は75kgの重量を1秒間に1m移動させる場合の仕事率」と定めています。
これが、日本で使われている「仏馬力(ps)」です。
1馬力は0.7355kw(ps)
「仏馬力(ps)」では、「1馬力は75kgの重量を1秒間に1m移動させる場合の仕事率」と定義されているので、「1馬力=75kgf・m/s」となります。
これを、国際単位系のSI単位に換算すると、約735.5w(0.7355kw)となるので、「1馬力(ps)= 0.7355kw」ということになります。
これを、英馬力(hp)にすると「0.7457kw」となり、若干大きくなります。
分かりやすく並べてみると、
・仏馬力の1馬力(1ps)=0.7355kw
・英馬力の1馬力(1hp)=0.7457kw
となります。
日本の車やバイクでは、基本的に「ps(仏馬力)」が使われていますが、アメリカ車などでは、慣例的に「hp(英馬力)」が使われることが多いようです。
ちなみに、「ps」は「pferdestarke」の略で、「hp」は「horse power」の略です。
サラブレッドは、3馬力以上
当初の「1馬力」は、まさに「馬1頭の仕事量」でした。
しかし、最近の「サラブレッド」などは、馬の能力が進化したので、「3馬力以上」あるともいわれています。
ちなみに、人間は「0.3馬力」程度だといわれます。
乗用車などのエンジンの出力が、120馬力などというのは、ごく一般的ですが、考えてみると、馬120頭分の力という、ものすごい力を発揮できるということになりますね。