黒潮
「黒潮」は、フィリピン付近から台湾・石垣島沖を北上し、日本列島南岸沿いに流れる「暖流」で、「日本海流」とも呼ばれます。
夏になると水温が30℃近くまで上がり、太平洋沿岸地域の気候にも、大きな影響を与えるとされています。
高塩分で栄養素が低く、プランクトンが少ないために、透明度が高くて「藍黒色」に見えることから、「黒潮」と呼ばれるようになったといわれています。
黒潮は、大きく蛇行したりするなどの流れの変動を繰り返していて、「サンマ」「イワシ」「マグロ」「カツオ」などの魚の動きにも、密接に関係しているといわれています。
最大で4ノット(≒時速7.4km)にもなるほど流れが速く、海流の幅が100kmにも及ぶ「黒潮」は、「メキシコ湾流」や「南極環流」と並んで、「世界でも最大規模の海流」といわれます。
親潮
「親潮」は、ベーリング海から千島列島沖を通って、北海道、本州の東海岸を三陸沖まで南下する「寒流」で、「千島海流」とも呼ばれます。
酸素や栄養塩に富み、プランクトンも豊富なことから、「魚を育てる親となる潮」という意味で、「親潮」と呼ばれるようになったといわれています。
春になると、植物プランクトンが大量に発生し、緑や茶色がかった色になります。
流れは弱く、速くても1ノット(≒時速1.85km)程度で、宮城県沖の混合水域では「黒潮の下」に沈み込みますが、夏期に親潮が優勢になると、東北地方に冷害をもたらすこともあります。
潮目
「暖流」と「寒流」がぶつかるところは、「潮目(しおめ)」と呼ばれています。
潮目では、魚のえさとなるプランクトンが大量に発生するため、多くの魚が集まってくるので、潮目は「とても良い漁場」となります。
「三陸海岸沖」は、「暖流の黒潮」と「寒流の親潮」がぶつかる「潮目」で、「世界でも有数の漁場」となっています。