一年には「大の月」と「小の月」があります。
31日まである月が「大の月」で、30日以下の月が「小の月」です。
大の月:1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月
小の月:2月、4月、6月、9月、11月
「小の月」のうち、2月以外は30日までですが、2月だけは「28日」または「29日」までとなっています。
2月が29日にまでになるのは、基本的に4年に1回ですが、この2月が29日までとなる年が「うるう年」と呼ばれる年です。
どうして、うるう年が4年一度やってくるのか、その理由を紹介します。
うるう年とは
「うるう年」を漢字で書くと「閏年」となります。
「閏」には「正統でない」とか「余分な」という意味があるので、「閏年」は「いつもの年とは違った、余分な日がある年」といえます。
「いつもの年にはない余分な日がある年」つまり「2月が29日まである年」が「うるう年」というわけです。
一般的に「1年は365日」とされますが、うるう年では「1年は366日」となります。
うるう年は、実際の時間(地球の公転の周期)と、暦上の時間のずれを調整するために設けられたもので、基本的に4年毎にやってきます。
「うるう年(閏年)」に対して、2月が28日までの年は「平年」と呼ばれます。
うるう年の算出
現在使われている「暦」は、「太陽暦」が主流です。
太陽暦では、地球が太陽の周りを一周するのにかかる日数が一年となりますが、実際に地球が太陽の周りを一周するのに要する日数は、365.24218944日とされています。
一年を365日とすると、毎年0.24218944日、時間にすると5時間48分46秒の誤差が生じていくことになります。
うるう年は、この実際の時間(日数)と暦上の時間(日数)との「誤差を調整」するために設けられた年です。
4年毎にうるう年を設けることで、5時間48分46秒 × 4 = 23時間15分4秒 の時間を調整することができ、ほぼ24時間(1日)に近い時間を調整することができるというわけです。
ただし、完全に調整ができているわけではないので、さらなる微調整が必要になります。
グレゴリオ暦(太陽暦)
太陽暦は、古代エジプトの時代から使われていました。
改良が重ねられていった太陽暦は、ユリウス暦を経て、現在では「グレゴリオ暦」が世界の主流として使用されています。
日本では、1873年(明治6年)からグレゴリオ暦が採用されています。
このグレゴリオ暦では、うるう年を下記のような方法で算出します。
1. 基本的に、西暦が4で割り切れる年は、うるう年とする。
2.「1」のうち、西暦が100で割り切れる年は、うるう年とはしない。
3.「2」のうち、西暦が400で割り切れる年は、うるう年とする。
一年につき5時間48分46秒という、秒単位となる誤差をより正確に調整するため、うるう年の算出方法も、上記のように複雑なものになっています。
ちなみに、2000年(平成12年)は、上記3によって「うるう年となった年」で、400年に一度の珍しい年でした。
また、2100年は、上記2によって「うるう年とはならない年」になります。
2月29日が誕生日の人の年齢
満年齢では、毎年誕生日に1歳ずつ年をとっていきます。
となると、4年に一度しかない2月29日が誕生日の人の年齢はどうなるのでしょうか。
年齢の計算方法
年齢の計算については「年齢計算ニ関スル法律」があり、これに基づいて計算されます。
1 年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス
2 民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス
3 明治六年第三十六号布告ハ之ヲ廃止ス
この法律によると、年齢計算は、民法第143条の規定を準用することになっています。
1 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
これによると、年齢は、起算日(=誕生日)の前日に満了することになるので、例えば、誕生日が3月20日の人は、3月19日24時に期間が満了し、誕生日の3月20日0時に1歳年をとることになります。
(「3月19日24時」と「3月20日0時」とは同一時刻ですが、分かりやすくするために使い分けました。)
ただし、2月29日が誕生日の場合「最後の月(2月)に応当する日(29日)がないときは、その月(2月)の末日(28日)に満了する」ということになり、2月28日24時に満了し、翌日の3月1日0時に1歳年をとることになります。
2月29日生まれの人も、平年は「2月29日」という「誕生日」はありませんが、3月1日0時には1歳ずつ年をとっていくというわけです。