「力士」と「関取」の違いは?

「相撲取り」のことを、「力士」と言ったり「関取」と言ったりしますが、「力士」と「関取」とは、どう違うのでしょう。

相撲の番付には「幕下」「十両」「幕下」などいろいろな階級がありますが、「力士」「関取」の呼び方には、この番付の階級が関係していました。

力士

「力士」は、「相撲取りの総称」とされています。

ということなので、「力士」=「相撲取り」ということになります。

ちなみに、力士の階級は、下から順に
序ノ口 → 序二段 → 三段目 → 幕下 → 十両 → 幕内(前頭 → 小結 → 関脇 → 大関 → 横綱)
となっています。

関取

「関取」は、「力士」の中でも「十両以上の力士」のことをいいます。

したがって、「幕下」や「三段目」などの力士は、関取ではないというわけです。

この「関取」という呼び名は、室町時代から使われているといわれています。

当時、強い力士は「関」と呼ばれていて、相手に勝つことを「関を取る」と言っていました。

そこから「関取」という言葉が生まれたといわれています。

「まげ」は「十両以上」

力士は「まげ」を結っているイメージが強いですが、実際に「まげ」を結わなければならないのは、「十両以上の力士のみ」とされています。

それ以外の力士には、「まげ」は絶対のものではないというわけです。

「まげ」は「大銀杏(おおいちょう)」と呼ばれることもあります。

「横綱」は「称号」だった

関取の中で最も強い力士のことを「大きな関」→「大関」と呼び、当時の力士の最高位は「大関」だったとされています。

現在の力士の最高位は「横綱」ですが、
この「横綱」は、元々は、「大関」のなかでも特に品格・力量が抜群の力士に与えられる「称号」で、地位ではなかったといいます。

それが明治になると、番付にも「横綱」と記載されるようになり、大関の上の「最高位」として定着していったといわれています。

「横綱」は「大関」とは違い、必ず存在しなければならないということはないので、横綱が空位となることもあります。