野球の1塁から3塁までの「ベース」は「四角形(正方形)」ですが、本塁の「ホームベース」だけは「五角形」になっています。
ホームベースだけが五角形になっているのを、不思議に思う人もいるかもしれませんが、以前のアメリカでは、「ホームベース」も他の塁と同じ「四角形(正方形)」だったといいます。
ホームベースだけを、「四角形」から「五角形」に変更したのには、どんな理由があるのでしょう。
「ストライク」「ボール」の判定をしやすく
「ストライク」と判定されるためには、ピッチャーの投げたボールの一部が、「ホームベース上の空間」を通過する必要があります。
ストライクの判定をする際に、内野部分のライン(ダイヤモンド)に合わせて、四角形のベースを置いていると、「球筋」と「ベース」を見合わせて判定するのが、難しいのだといいます。
「四角形のベース」だと、「球筋」に対して「ベースの辺」が斜めになるので、左右のベースの頂点を通過した瞬間を判定しなければならなくなり、正確なジャッジがしづらいというわけです。
「点」ではなく「線」で判定
ベースの辺が球筋と「平行」になるように置くと、断然、ストライクの判定がしやすくなったといいます。
ボールが、四角形の頂点の「点」を通過する瞬間の判定から、四角形の辺の「線」を通過していく間に判定するようになることで、より正確なジャッジができるようになったといわれます。
しかし、ベースの「向き」を変えただけでは、「ライン」と「ベース」の間に三角形の「すき間」ができてしまいます。
そこで、すき間もベースの一部に取り入れることで、「五角形のホームベース」が誕生したというわけです。
五角形のホームベースの正式採用
アメリカで、「五角形のホームベース」が正式に採用されたのは、アメリカン・リーグが誕生した、1900年からといわれています。
日本に野球が伝えられたのは、1906年(明治39年)といわれているので、日本の野球では、最初からホームベースは五角形だったことになります。
野球の初期の頃には、ベースは、「大理石」や「鉄板」でつくられていたといわれます。
やがて、「キャンバス布」でつくられるようになりますが、ホームベースだけは、「白いゴム製」で、半分くらいは地面に埋められるようになっています。