親しい人が入院してお見舞いに行くときには、お見舞いの品を持って行くこともありますが、お見舞い金を包んで持って行くことも多いです。
しかし、お見舞い金を包むときに悩むのが、新札にするのか旧札にするのかということです。
結婚式などの慶事では新札を、葬式などの弔事では旧札を使うというのが一般的なマナーですが、お見舞いの際には、新札、旧札のどちらを使えばいいのでしょうか。
また、お札を入れる袋はどんな袋を使って、お札の向きはどのように入れればいいのでしょうか。
お見舞いに使うお札
入院の際の見舞金に新札を使うのか旧札を使うのか、はっきりとした決まりはないといわれています。
新札を使っても旧札を使っても、特にマナー違反になるというようなことはありません。
どちらを使っても良いのなら、きれいな新札で渡した方が良いと思う人が多いかもしれませんが、病気のお見舞いに新札を使った場合、受け取る人によっては、「事前に新札を用意しておいて、病気になるのを待っていたようだ」と感じて、気分を害する人もいるといいます。
若干、こじつけのような感じもしますが、特に年配の人は、そう感じる人が多いようです。
実際に気にする人がいるので、新札を使う場合には、お札に折り目をつけてから使うというのが、一般的になっています。
折り目をつけるのなら、わざわざ新札を用意する必要もなく、旧札で十分だとも思いますが・・・。
ただ、旧札を使う場合でも、シワシワになったお札や破れているようなお札はNGです。
あくまでも、「適度に使われた旧札」を使うようにしましょう。
お札の袋への入れ方
新札にするか旧札にするかが決まったら、次に気になるのが、お札をどうやって袋に入れるかということです。
お札の表を上に向けるのか、裏を上に向けるのか、また、人物の位置はどうするのかが気になるところです。
慶事はおめでたいことなので、人物の顔が見えるようにお札の表面を上に向け、弔事は悲しいことなので、うつむいて背を向けるという意味で裏面を上に向けるのがマナーとされています。
お見舞いでは、「回復して元気になってほしい」という前向きな思いが込められているので、人の顔が見えるように、表面を上にして、人物が取り出し口に近い方になるように入れるのが、一般的なマナーとされています。
病気は辛いことかもしれませんが、病気のお見舞いには不幸(弔事)という意味合いはないので、お札の人物が上になるように入れましょう。
↓こんな感じです。
お見舞いに使う袋の種類
水引きのついた袋にお見舞い金を包む場合、水引きは紅白の「あわじ結び」か「結び切り」のものを使います。
上記の上から順に、「あわじ結び」「結び切り」「蝶結び」です。
「あわじ結び」と「結び切り」は、ほどくことが難しいので、「一度で終わること」「二度とあってほしくないこと」(結婚式、快気祝い、病気見舞い など)の際に使われ、「蝶結び」は、何回でも結び直すことができるので、「何度あってもうれしいこと」(出産、進学 など)の際に使われます。
このような意味があるので、病気見舞いでは、蝶結びの水引きは使わないように注意しましょう。
また、水引きのついた袋には、右上に「熨斗(のし)」と呼ばれる飾りがついているものもありますが、お見舞いの際には、熨斗はつけません。
熨斗は、もともと鮑を平に細長く伸ばした「伸し鮑」を「長く伸びるように」と縁起を担いで贈答品に添えたのが始まりといわれているので、その意味を考えて、弔事や病気見舞いなど引き伸ばすのが好ましくないような場合には、つけないように配慮することが大切です。
お見舞いの場合には、水引きのない無地の袋を使う場合もありますが、よくわからない場合には、すでに「御見舞」と書かれている市販の袋を使えば安心です。
まとめ
お見舞い金を渡す際の、ルール・マナーをまとめてみましたが、一番大切なのは、一日でも早く回復するようにという気持ちを込めて渡すことではないでしょうか。
ただ、入院時のお見舞いに関しては、「お見舞いに来てくれて嬉しい」と思う人がいる一方で、「あまりお見舞いには来てほしくない」と思っている人もいます。
特に、女性の場合には、普段のように化粧をして身なりを整えているわけではないので、人に会うのはできるだけ避けたいという人も少なくありません。
お見舞いに行く際には、事前に家族に連絡をして、本人の気持ちを確認してから行くようにするという「心づかい」も必要かもしれませんね。
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