テニスの得点を「ラブ→15→30→40」と数える理由は?

スポーツの中でも、得点の数え方が独特なテニス。

テニスでは、「0」のことを「ラブ」と呼び、得点を1つ重ねるごとに「15」「30」「40」と数えていきます。

基本的には、「40」の次の得点を得た方のプレイヤーがそのゲームに勝ち、6ゲームを取ると1セットが終わります。

テニスの得点は「15」ずつ数えているようにも思えますが、それなら「30」の次は「45」になるはずですが、これは「45」ではなくて「40」です。

1555年に著された「球戯論(Trattato del Giuoco della Palla)」という本にも、「この奇妙な数え方は、はるか昔からのものである。」と記されているといわれます。

ずいぶん以前から、テニスの得点の数え方は、不思議に思われていたようです。

六分儀(ろくぶんぎ)に沿った数え方

角度を測定する「六分儀(ろくぶんぎ)」という道具があります。

「六分儀」は、水平線から「太陽」「月」「星」などへの角度を測るために使われる道具で、「360度の円」を「6つ」に分けたものが単位となっています。

「テニスの得点の数え方は、この六分儀に沿ったもの」という説が有力とされています。

以前のテニスの試合は「1ゲーム4ポイント制」の「6セットマッチ」で行われていたといわれています。

このテニスの試合を「六分儀を一周」することに見立て、「試合全体(6セット)」を「360度」とすると、「1セット」は全体の「6分の1」となるので「60度」

さらに「1セット(60度)」は「4ポイント制」なので、60 ÷ 4 で「1ポイント」=「15度」

これにより、1ポイントが「15」となるので、「15」「30」「45」というポイントの数え方になったといわれています。

最後の「45」が「40」になったのは、「45」を英語で言うと「forty-five」と長くなるので、いつの頃からか「forty」に省略されたと考えられています。

60進法の影響

テニスの「得点の数え方」の由来には、「六分儀説」をはじめとして諸説がありますが、当時ヨーロッパで一般的だった「60進法」が影響しているということは間違いないようです。

「時計」は「一回り60分」で1時間、文化の中心だった「修道院」の生活でも、15分単位で「お祈り」「読書」「掃除」などのスケジュールが組まれていたといいます。

「貨幣の単位」も「60進法」だったとされているので、「テニスの得点」が「60進法」であったとしても、何ら不思議はないというわけです。

0(ラブ)

「0」「ラブ」と呼ぶのは、
ゼロに似た形の「卵」を意味するフランス語の「レフ」が訛ったものという説や、
「ラブ」にはもともと「何もない」という意味があったという説などがありますが、
はっきりとした由来は分かっていないようです。