妊娠すると、女性の体には、赤ちゃんを育てるために様々な変化が起こります。
妊娠超初期
妊娠初期の中でも、妊娠0週~妊娠4週までは「妊娠超初期」と呼ばれています。
正確に言うと、最終月経の開始日から妊娠0週として数えるので、妊娠0週の時点では妊娠しているとはいえません。
妊娠2週目頃に排卵が始まり、そこで受精した後、子宮内膜に着床して妊娠ということになるからです。
卵子の着床は妊娠3週目頃とされますが、この時期になると、妊娠超初期の体の変化を感じる人が出始めるといわれます。
生理予定日以降(妊娠4週以降)になると、何となく体の変化を感じる人も多くなるようですが、妊娠超初期には、その症状が生理の症状と似ていることもあり、妊娠していることに気付かないことも珍しくないといいます。
生理が遅れて妊娠に気付くというのが大半のようです。
妊娠超初期は、妊娠が始まるとても大切な時期ですが、妊娠検査薬では、生理予定日の1週間後でないと判定することができません。
妊娠超初期によくみられる8つの症状
妊娠超初期の症状には個人差がありますが、「おりもの」「出血」「腹痛」「下痢、便秘」「胸の張り」などの症状がよくみられるといいます。
少しでも早く妊娠に気付くことができれば、流産のリスクなどを軽減することもできます。
おりもの
普段は粘つきのある「おりもの」が、白色や透明色のサラサラした感じに変わってきたら、妊娠の可能性があるといわれます。
妊娠により、黄体ホルモンのプロゲステロンやエストロゲンが分泌されるようになると、このような変化が現れるからです。
おりものの量が増えたりまたは減ったりと、兆候が「量の変化」として現れることもあるといわれます。
おりものに何らかの変化があれば、それが妊娠の兆候かもしれません。
ただ、おりものがピンク色に変化したような場合には、不正出血の可能性もあるので、できるだけ早く産婦人科を受診するようにしましょう。
出血
着床することで「出血」を伴うことがあるといいます。
「妊娠出血」と呼ばれるものですが、これは、受精卵が子宮に着床する際に、絨毛(じゅうもう)が子宮壁に傷をつけることで起きる出血で、出血は少量ですが、短時間の軽い痛みを感じる場合があるといいます。
色は、生理の時のような褐色ではなく、鮮明な色をしていることが多いですが、時には、ピンク色や薄い茶色のこともあるようです。
生理と勘違いすることもありますが、「妊娠出血」のことを理解しておけば、判断もしやすくなります。
腹痛
生理でも腹部に痛みを感じることはよくありますが、妊娠超初期にも、兆候として「腹痛」が起こることがあるといわれます。
腹痛の原因には、子宮が広がることや、便秘や下痢によるものなどがあるようです。
腹痛は、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣腫瘍など、何らかの病気が原因になっていることもあるといわれるので、痛みが続くようなら、産婦人科の受診が勧められます。
下痢、便秘
妊娠初期には「便秘」になる人も多いようですが、逆に「下痢」に悩まされるという人もいるようです。
妊娠超初期に始まった下痢は、妊娠初期や妊娠中期まで続くこともあるといいますが、これは、妊娠に伴うホルモンの分泌の変化が原因と考えられています。
特に体に異常がないのに下痢が続くようであれば、妊娠の兆候かもしれません。
下痢が続くことで流産につながることはないようですが、気軽に薬を飲むことは控えた方がいいので、下痢が続くようなら、産婦人科を受診した方がいいかもしれません。
胸の張り
生理前には「胸の張り」を感じることがありますが、妊娠超初期でも、同じように「胸の張り」を感じることがあるといわれます。
胸が張っているため、乳首にシャワーがあたったり、服に触れただけで、痛みを感じることもあるようです。
つわり
妊娠超初期の段階で「つわり」が出る人もいるといいます。
個人差があり、症状も人それぞれのようですが、吐き気がするというよりは、食欲がなくなったり、ニオイに敏感になるといったことが多いようです。
何となく、ムカムカした感じが続くといった症状も、妊娠超初期に見られるつわりの兆候の一つといえそうです。
トイレの回数が増える
妊娠超初期には「トイレの回数が増える」という人もいます。
妊娠するこによって生殖腺刺激ホルモンが分泌され、これに刺激を受けた膀胱が敏感に反応したり、変化し始めた子宮の近くにある膀胱が影響を受けたりすることが原因と考えられています。
トイレの回数が増えること自体は、特に問題はないといわれますが、排便時に痛みを感じるようなら、膀胱炎が疑われることもあります。
トイレの回数が多くなると、我慢をすることで膀胱炎を引き起こすこともあるようなので、あまり我慢をせずに、清潔に保つように心がけたいです。
風邪に似た症状
妊娠超初期には、倦怠感、頭痛、熱っぽさなどの「風邪に似た症状」を感じる人もいるといいます。
これらは、黄体ホルモンの影響だと考えられています。
妊娠初期には、12週間程度は体温が高い状態が続くとされますが、この時期に急に体温が下がった場合には、逆に注意が必要だといわれます。
この時期の体温の下降は、流産の可能性も考えられるからです。
赤ちゃんを守るために
お腹の赤ちゃんのためにも、妊娠超初期のうちからしっかりと体調を管理して、良い環境を整えてあげたいです。
しかし、妊娠超初期の頃の判断が難しいというのも事実です。
妊娠の可能性がある場合には、上述のような兆候に気をつけるようにして、一つでも妊娠の兆候に当てはまるものがあれば、妊娠検査薬等でチェックしてみるのもいいかもしれません。
また、妊娠を考えるようになった段階から、きちんとした栄養管理も大事になります。
中でも「葉酸」は、厚生労働省がサプリメントからの摂取を推奨しているほど、妊娠時には大切な栄養素なので、しっかりと摂るようにしたいです。