ポメラニアンの性格の特徴

ポメラニアンは、ソリ引きをしたり、牧羊犬として活躍した大型犬スピッツの血を受け継いでいるので、遺伝子的にも、人間との調和を求める犬だといわれています。

飼い主に対する愛着はとても強いのですが、その反面、依存も強いといわれます。

そんなポメラニアンは、「ころころ」で「もふもふ」、目がまんまるで、見ているだけで癒されます。

見た目どおり、飼い主にも従順で、しつけはしやすいといわれていますが、意外な一面もあります。

ポメラニアンの表の表情と、裏に隠された性格の特徴を紹介します。

ポメラニアンの性格

ポメラニアンは、可愛らしくて頭がいい

どのポメラニアンにも、ほぼ共通していえることですが、寂しがり屋でとても可愛らしい性格という特徴があります。

風呂に行くにも、トイレに行くにも、いつも一緒についてきます。

手、足、顔、いつでもペロペロ、一緒に寝るとくっついてきたり、抱きしめると安心して寝入ったり。

愛されていることを、毎日実感できます。

ポメラニアンは、3か月もあれば、物を覚えることができるくらい、頭がいい犬種でもあります。

根気強くしつけを続けていけば、たとえ高齢になっても、新しいことを覚えさせることができます。

ポメラニアンは、気が強くて臆病

そんな、可愛らしくて頭のいいポメラニアンですが、実は、とても気が強くて、嫌なことは嫌と、しっかりと主張します。

例えば、爪切りや歯磨きのとき、唸ったり、吠えたり、噛んだりすることが多いです。

ポメラニアンは、よく吠えます。

警戒心が強く、臆病なので、怖いという気持ちを隠すために、チャイムが鳴ったら「キャンキャン!」、怖そうな人が通りかかったら「キャンキャン!」、物音がしたら「キャンキャン!」、何か気配を感じたら「キャンキャン!」。

幼いうちにしつけをしておかないと、なかなか直りません。

ポメラニアンは、寂しがり屋の犬なので、一人が耐えられないのです。

留守番中に物を壊したり、飼い主を捜して、うろうろピョンピョンして脱臼や骨折をしたり、一人のストレスで吐いたり病気になったりと、可愛い反面、とても手がかかります。

気が強いところも含めて「可愛い!」と思える人が飼うのに向いている犬種が、ポメラニアンだといえます。

しかし、犬の性格というのは、飼い主の性格、飼っている環境、育て方によって変わってくるので、良い子になるように、愛情をたくさん与えてあげることが大切です。

ポメラニアンの性格の長所と短所

長所

ポメラニアンは、飼い主への愛情が深いこともありますが、とにかく好奇心旺盛で元気な犬です。

ジッとしていることを嫌がります。

一緒に遊んでいると、その学習能力に驚かされるほど、とても賢い犬です。

ポメラニアンの祖先の影響もあって、協調性があり、最初は、他の犬と吠えあうことはしょっちゅうですが、すぐに仲良くなれます。

精神的にタフなので、失敗してもすぐに立ち直ってチャレンジできます。

おやつをもらえるまで、とことん飼い主の後を追い続けるという、粘り強さももっています。

ポメラニアンは可愛らしい犬ですが、室内犬としては、番犬にもなるほど、勇敢で警戒心の強い犬でもあります。

短所

長所と短所は、紙一重です。

牧羊犬だっただけに、ポメラニアンは警戒心が強く、相手が大きな犬であっても吠えてかかります。

知らない人間に対しても、同じです。

ポメラニアンの吠え癖は、しつけの段階で軽減することが可能ですが、自己主張の強い犬なので、しつけ方があまくなると、後が大変です。

ルールに対しての意識が低いと、とてもわがままな犬に育ってしまいます。

ダメなものはダメと厳格にしつけをして、主従関係を明確にすることが、ポメラニアンを育てていく上で、大切になります。

ポメラニアンが「幸せ」を感じる時

ポメラニアンの心が理解できたらいいのにと思うことはありますが、そんな特殊能力はないので、知恵・知識・観察を通して愛犬の心を感じとっていくことが大切です。

ポメラニアンが、幸せを感じるといわれるケースを紹介します。

飼い主と朝から晩まで一緒にいられる時

ポメラニアンは、寂しがり屋で、飼い主のことしか考えられない一途なタイプなので、たった数時間でも飼い主と離れるのは、苦痛に感じてしまいます。

そのため、飼い主と朝から晩まで一緒にいられることは、ポメラニアンにとって最高の幸せだといわれます。

褒められた時・撫でられた時

ポメラニアンは、褒められることに生きがいを感じる犬です。

飼い主のことが大好きで、褒められればどんなことでも覚えようとします。(怒られるのは大嫌いです。)

飼い主に、ワシャワシャと褒められるのも、たくさん撫でられるのも、よしよしされるのも、本当に大好きです。

飼い主と一緒に寝る時

犬の習性として、狭い範囲の決まった場所で寝ると落ち着くということがありますが、ポメラニアンも例外ではありません。

しかし、1匹で寝るよりも飼い主とくっついて、飼い主の香りを楽しんで、飼い主の呼吸を感じて寝る方が、寂しがりで甘えん坊なポメラニアンは、幸せを感じるといわれます。

ただし、毎日だと反抗的になってしつけがうまくいかなくなってしまうので、多くても週1回程度にしておくことがおすすめです。

おいしいものを食べる時

おいしいものといっても、人間の残り物やスイーツ等ではありません。

確かに、その時はおいしいかもしれませんが、そういったものを食べていると、後々病気になってしまって、飼い主ともども後悔することになってしまいます。

ポメラニアンの健康維持に役立ち、好物になり得る物としては、ささみ、さつまいも、かぼちゃ、ヨーグルト、トマトなどが挙げられます。
(ただし、与えすぎるとドッグフードを食べなくなるので、与えすぎには要注意です。)

人間と同様、ポメラニアンにとっても、食べることは、大きな楽しみの一つです。

飼い主と遊ぶ時

ポメラニアンにおもちゃを与えて、1匹で遊ばせていても長続きはしません。

そうしたとしても、数分も遊べは飽きてしまうでしょう。

飼い主と一緒に、アイコンタクトや会話を楽しみながら遊ぶことが、甘えん坊のポメラニアンにとっては、最高の幸せになります。

飼い主といっしょに散歩する時

忙しいから散歩はさっさと済ませるというスタンスでは、散歩に行っていないのと、あまり変わりがありません。

散歩には、運動するという他にも、リフレッシュ、脳への刺激による痴呆症の予防、うつの予防、コミュニケーションなどの、大切な役割があるといわれています。

何より、ポメラニアンは、飼い主と一緒に楽しむことが大好きです。

飼い主とゆっくりと「歩く」ことを楽しみつつ、景色も堪能し、会話もし、時にはドッグランに行ったり、公園でピクニックをしたりして、時間を過ごすことに、大きな幸せを感じます。

ポメラニアンが「ストレス」を感じる時

ストレスに感じることやストレス時の表現方法は、すべての犬が同じというわけではありません。

ポメラニアンは、ストレス耐性の低い犬種といわれているので、日々の行動をよく見ていて、早目にストレスに気付いてあげることが大切です。

ストレスのサインになる行動と症状

ストレスが原因と思われる、ポメラニアンの「行動」には、次のようなものがあるといわれます。

・手足を頻繁に舐める。
・やたらと吠える。
・飼い主を噛む。
・しっぽを追いかけてぐるぐる回る。
・部屋中をうろうろする。
・物を壊す。
・じっとしていられない。
・ずっとおすわり・ふせをして、何かを待っている様子がうかがえる。
・どことなく元気がない。
・落ち着かない。

これらの行動と併せて、

・食欲がない
・下痢気味
・毛が抜ける
・毛がなかなか生えてこない
・吐く

などの「症状」があれば、ストレスを感じていることが疑われます。

ポメラニアンにとってのストレス

ポメラニアンは、勝気という性格上、ストレスに強いようにも見えますが、実はストレスに弱い犬種だといわれます。

寂しがり屋で飼い主のことしか考えられない忠実性と相まって、飼い主のちょっとした言動でもストレスとなってしまうのです。

環境要因としては、

・温度が低すぎる、高すぎる。
・寝床が気持ちよくない。
・トイレが汚い。
・部屋が汚い。
・ごはんがおいしくない。
・水が汚い。

などが挙げられます。

飼い主の要因としては、

・怒られてばかりいる。
・無視されてばかりいる。
・留守番が長すぎる。
・飼い主がかまってくれない。
・飼い主から愛されていると感じられない。
・たたかれる。
・怒鳴られる。

などがあります。

ポメラニアンのストレスを減らすには

ストレスの強い生活を続けていると、寿命も短くなってしまいます。

病気にもかかりやすくなり、問題行動も多くなります。

ポメラニアンを健康に長生きさせるとともに、飼い主自身もストレスを感じることなく、ポメラニアンとの生活を快適に送るには、ストレス要因を取り除いてあげることが大切です。

飼養環境としては、

・常に清潔・安全に保てるよう、こまめに掃除をする。
・寝床は、落ち着けるようにベッドを定位置に用意し、毛布類は定期的に洗濯する。
・トイレは汚れたらすぐに掃除をする。
・6月~9月の暑いときにはエアコンをつけ、12月~2月の寒いときには暖房をつける。

などの、細かい管理が、ポメラニアンのストレス軽減のためには大切になります。

しつけに関しては、基本的には、怒ってもなかなか覚えません。

褒められることで喜びを感じて覚えていくので、

・度を過ぎて怒ることをしない。
・たたくなど、暴力をふるわない。
・1日に2時間程度はベッタリする時間を作る。
・好きだよ・愛してるよということを伝える。

などということが大切です。

日々の生活で「あれ?」と思うようなことがあったら、すぐ獣医さんに診てもらうのと併せて、ストレス要因がないかもチェックしてみるといいです。

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最近では、ポメラニアンも長生きをするようになりましたが、それでも、寿命は15年程度と、人間に比べるとずっと短いです。

その短い人生の中で、どれだけポメラニアンに幸せを感じさせてあげられるか、また後悔のないような生き方をさせてあげられるかを、しっかりと考えてあげたいですね。