ポメラニアンの「性質」と「基本的なしつけ」

ポメラニアンの性質

ポメラニアンを飼うということは、同時に、これまでにないトラブルに見舞われる始まりであるともいえます。

夜鳴き、トイレの粗相、いたずらなどに悩まされることがあるかもしれません。

しかし、それらの多くは、ポメラニアンが子犬の時期の一時的なものなので、焦らず、イライラせず、ゆったりと構えておきましょう。

犬の中でも、ポメラニアンは比較的飼いやすい犬種ですが、飼い方によっては、よく吠えるようになることがあります。

吠えるのは、興奮した時が多いので、子犬の時期からあまり興奮させないように、淡々と育てるようにすると、吠えることは少なくなります。

子供がいる家庭では、子供といっしょに遊び過ぎて、過度に興奮する傾向があるので、最初のうちは大人も入って、バランスよく遊ばせることも大切です。

事故を防止するという意味からも、子犬のうちは、子供だけで遊ばせるのは控えた方がいいかもしれません。

夜鳴き

ポメラニアンの子犬は、夜寝るときでも、真っ暗な場所に置き去りにされると、鳴いて誰かを呼びます。

最初のうちは、飼い主の気配が感じられる寝室内に寝床を置いたり、小さな灯りをつけておくといった配慮も必要です。

ポメラニアンは、自立心が高い犬なので、いつまでも飼い主に依存することは比較的少なく、夜鳴きが長く続くことも、そんなに多くはありません。

トイレ

ポメラニアンは、比較的スムーズにトイレを覚える犬です。

起きてすぐにトイレに連れて行ったり、においを嗅ぎながらくるくる回る合図をしていると、次第に理解していきます。

それでも、最初のうちは上手くいかないことも多いですが、怒らずに黙って始末するようにしましょう。

ここで怒ってしまうと、排泄したこと自体を怒られたと理解して、見えないところで用を足すようになったり、飼い主が怖い人だと感じたりしてしまいます。

いたずら

ポメラニアンの子犬は、とても遊ぶのが好きですが、遊びの延長でいたずらもよくします。

貴重品や危険物など、いたずらをされると困るものは、遊ばせる前に届かない場所に移動させたり、カバーをかけたりして、いたずらができないようにしておくといいです。

いたずらしてもいいおもちゃを与えたり、犬が嫌がる味のするスプレーを吹きかけたりするのも効果的です。

褒めて育てる

ポメラニアンを飼う時には、叱ってもいい子には育っていきません。

子犬を育てる基本は、褒めて育てることです。

ダメなことを教えることが必要な時もありますが、そんな時でも、ただ叱ったり怒ったりしても、ポメラニアンに気持ちは伝わりません。

ポメラニアンの行動を応用したいろいろなトレーニング法を飼い主自身が学んで、それを活用していくことがとても大切です。

ポメラニアンの基本的なしつけ

ポメラニアンを飼う際には、社会のルールを身につけさせなければなりませんが、それには、まずは基本的なしつけをする必要があります。

できれば、何でも柔軟に吸収できる子犬のうちに、基本的なしつけをして、家の中でも外出した時でも、社会に溶け込んで過ごしていけるようにしたいです。

ポメラニアン自身が社会のルールを覚えないと、周りの人に迷惑をかけたりして、最悪の場合は飼い続けることが難しくなってしまうこともあります。

まずは、基本的なしつけから始めましょう。

ポメラニアンも人間の子供と同じように、最初は簡単なことから始めて、次第に分別がつくように育てていくのが一番です。

アイコンタクト

ポメラニアンを飼う時に、飼い主とのアイコンタクトは、基本になります。

犬の習性として、ポメラニアンは、信頼できる相手以外とは、むやみに視線を合わせようとはしません。

最初のうちは、おもちゃやおやつなどを使いながら、名前を呼ばれたら何かいいことがあるということを覚えさせ、名前を呼べば飼い主の方を見るようにしつけます。

ただし、怒りながら名前を呼ぶと逆効果になるので注意しましょう。

おすわり

おすわりは、様々な場面で、それまでの行動をリセットできる基本の姿勢です。

怒って興奮している時でも、ポメラニアンに一呼吸つかせて、興奮を抑えることができます。

ポメラニアンが座っている時に声かけをしたり、おしりに手を添えて座る姿勢を教えたりして、少しずつ「おすわり」の合図を教えていきます。

教える時には、毎回「ほめる」ということがコツになります。

伏せ

伏せは、おすわり以上に抑制をきかすことができる姿勢です。

興奮して相手に飛びかかろうとする時などには、とても効果的です。

「伏せ」もおすわりを教えるのと同じように教えますが、緊張した状態ではなかなか伏せないので、最初のうちは、ポメラニアンが安心できる場所で練習するようにしましょう。

伏せの姿勢となることで、ポメラニアン自身も心身ともにリラックスできる効果があるといわれています。

子犬の時期に教える

欧米の研究で、子犬のうちなら容易に覚えることでも、ある程度成長した後では、覚えることが難しいことがあるということが分かっています。

中でも、「人間は優しい」「音をはじめとした様々な刺激は恐いものではない」ということは、周りの環境に早く慣れるという意味からも、子犬の早い時期に教えてあげることが重要です。

遊びの中でしつけをする

ポメラニアンにとって、遊びは同時に学びの場でもあります。

子犬の頃はもちろん、成犬になってからも遊びを通じて様々なことを学んでいきます。

ポメラニアンの遊びたいという欲求を利用して、遊びをする中で、いろいろなルールを教えることができます。

ポメラニアンのテンションをコントロールできれば、恥ずかしがり屋の性格を開放的にしたり、攻撃的な性格を抑えたりと、性格の改善も可能になります。

遊びは、本能的な捕食行動の欲求を満たす行為でもあるので、五感を使った遊びを取り入れることで、ストレスをうまく発散することもできます。

嗅ぎ分けたい欲求、かみつきたい欲求、くわえたい欲求などを満たすには、犬用のゲームやおもちゃが便利です。

遊びには、いろいろな効果が期待できますが、中でも、飼い主との関係性を学べることは、とても大きなことです。

そのため、飼い主が、ポメラニアンとの遊びの基本ルールを学んでしつけをするということが、とても重要になります。

おもちゃを使った遊び

ボール遊びは、ポメラニアンの追いかけたいという本能を満たしてくれます。

ボール遊びがとてもいい運動になるのはもちろんですが、ストレスの解消にも役立ちます。

ボールは口の大きさに合ったものを選ぶようにしますが、弾力があるものの方が歯を痛めにくいです。

ボールは、音の出るタイプのものが選ばれることが多いです。

ロープを使った綱引き遊びでは、飼い主とポメラニアンとの上下関係が構築しやすく、頭脳トレーニングができる知育玩具も便利です。

知育玩具は、ひとり遊びできるタイプのものも多くあるので、留守番の時の退屈防止にも威力を発揮します。

触ってあげる遊び

なでるだけでもポメラニアンは満足しますが、ただなでるだけでは、犬上位の関係になってしまうこともあります。

なでながら仰向けにして、ポメラニアンに服従のポーズをとらせると、人間上位の関係が築きやすくなります。

膝の上で、ポメラニアンの向きを、あれこれ変えてみるのもいいでしょう。

遊びの際のルール

おもちゃは必ず片付ける

ポメラニアンには、おもちゃを所有したいという欲求があるので、おもちゃの所有権を飼い主が握れば、強い立場に立つことができます。

おもちゃの出し入れは飼い主が行い、主導権を握ることが大切です。

遊び終わったら、おもちゃは必ず片づけましょう。

遊びの時間は飼い主が決める

ポメラニアンをコントロールするためには、遊び自体の主導権も飼い主が握ることが重要です。

ちょっと遊び足りない位のタイミングで遊びをやめることで、次回の遊びへモチベーションをつなげることができます。

遊びを通してマナーを教える

ポメラニアンにとって、遊びは最大のトレーニングチャンスです。

遊んでほしいという欲求が大きなモチベーションになって、ポメラニアンに無理なく自然に、楽しみながら様々なことを学ばせることができます。